頑張れ小野高校

 まずは、'98年全国高校野球選手権大会において、惜しくも地方大会準々決勝で敗れた兵庫県立小野高等学校野球部の健闘をたたえたいと思う。本当はまだ勝ち残っている間に小野高校を応援するページを作るべきだったのだが、すっかり出遅れてしまってこういうことになった。お許し願いたい。

 そもそも、今回、記念大会ということで地方予選で兵庫が東西に区分けされて、しかも小野は阪神間の高校とは別の西兵庫ブロックなので、チャンスは増えたと言える。昨年の健闘を考えれば、今年もまたいいところまで行くであろうことは確実だったのかもしれない。

 それにしても小野高校なのである。公立だし、一応進学率が表看板だったりするし、野球が強かったりするような高校じゃないのだ。サッカーで言えば日本代表、プロ野球でいえば阪神タイガースなのである。それが大健闘なのだ。しばらく見ないうちに、母校はどうなってしまったのだろう。私なんかが体育の時間にランニングしていた、あのグラウンドで練習したみんながこんなにがんばっているのである。信じられなくても、無理はないと思う。

 朝日新聞のページの、高校野球・地方大会の展望の、西兵庫のところに、こうあった。

 姫路工と三原を東洋大姫路が追い、この三校に小野、明石南、明石が絡む展開が予想される。

 これはえらいことである。なにしろ優勝、甲子園出場に小野が絡む展開なのだよ。名前が四番目に挙がっているのだ。当然新聞社の取材なんかもきているのだろう。さらに個別にはこんなコメントも載っている。

 東洋大姫路は主戦長谷川が速球に磨きをかけた。小野は主砲田中大ら昨夏からの主力を軸にまとまっている。投手は小林が急成長、主戦丸山を援護する。

 ああ、田中大君、小林君、丸山君。どんなひとだか知らないけれど、ここにも君らを応援するひとがいますよ。

 思い返せば一〇年前。私は四一回生、平成元年卒業なのだが、私の三年生の年(つまり六三年だな)、小野はどうした拍子にか、夏の高校野球でかなりいいところまで行った。確か三回戦を突破したのだったか。学校側も、これは珍しいことである、という認識があったのだろう。送迎バスが学校から出て、ブラスバンドの応援がつくという騒ぎになった。補習で学校に来ていた私たちは、受験勉強もそこそこに明石まで応援に行ったものだ。痛いほどの日差しのなか、校歌より恰好良い「小野高校応援歌」を歌ったりしたことを思い出す。そういえば、手回しよくそれぞれのバッターに応援歌ができていたっけ(「そーれかっとばせバース、ライトへレフトへホームラン」みたいなやつね。古いか。)。明るい夏の日差しの下にもかかわらず、半年後に受験という壁を控えて教室の雰囲気も暗くなりがちだった私たちにとって、屋外で声を張り上げたあの経験がどれだけ救いになったことか。

 それで、去年、今年である。準々決勝まで進んだ母校ではどんな騒ぎだったことだろう。いまも近くに住んでいたらぜひ応援にでも行きたかったところだが、いま私は遠く離れた関東の地に住んでいるので、果たせずに終わってしまった。本当のところ、もし寄付の話がきたら受けよう、と思っていたほどなのだ。あの夏、四回戦で敗れた試合を見に行った私たちの、応援し足りなかった想いに捧げて。


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