もう、お前達には頼らない。孤高のボケ職人に頼れる相棒が登場。未曾有の喝采をあなたに。
「ボケとツッコミ」。この有名な技術は、会話の一単位を構成する基本形とされ、関西を中心に古くから研究が進められ、全日本的に見ても広く知られている分野ではありますが、実際に日常の会話に自由に取り入れるというところまでは、なかなかたどり着けないという方が多いようです。平成十年度の統計によれば(※1)、日本の子供たちは、諸外国と比較して、知識としての「読み」、あるいは「聞き」においては高い理解度を達成しつつも、一方の自分でボけ、あるいはツッコむ能力では大きく遅れをとっているといわれ、教育の不備が取りざたされているところです。
「ボケとツッコミ」は、基本的に二人の会話構成員を必要とします。たった一人ではいくら練習してもうまくならないという事実が、英会話同様、コミュニケーションが苦手といわれる日本人にとって習得を難しくしている要因であると言われておりますが、実際、こうした技術を持たない、あるいは必要性について低い意識しか持たない集団で、すばらしい「ボケ」を入れたにもかかわらずまったくウケなかったという事件が多数報告されております。
会話において、なんといっても光が当たる場所である「ボケ」の影に隠れて見のがされがちなことですが、息のあった二人が、面白いボケに対して正しいタイミングで正しいツッコミを入れることこそが「ボケとツッコミ」の完成に重要なことです。大西科学では、従来「なんでやねん号」などでこの会話補助製品を実用化、製品化して参りましたが、今回「ツッコミ」の技術について新たな方面から研究を重ねた結果、まったく新しい「ツッコミ専用小型ロボット」の開発に成功、販売を開始いたしました。
「ヤットレンワ三号」は、全高十五センチの、トリ型ロボットです。付属の爪によって使用者の肩にとまり、使用者のボケに対して、一万を越えるパターンで自在のツッコミを入れます。これを肩につけて出かけるだけで、もう冷たい群衆にボケを潰される心配はありません。ヤットレンワ三号が、あなたのボケに、いつも的確なツッコミを入れるのです。
「ヤットレンワ三号」は、小型量子プロセッサ、PHSを用いたインターネット端末、および電源とモーターを内蔵したロボットです。肩に固定され、作動状態に入れられた「ヤットレンワ三号」は、あなたの発言に「ボケ」が含まれるかどうかを常にスキャンし、内蔵メモリに蓄えます。使用者により異なる、発語に含まれる微妙なイントネーションの差、タイミングに関してある程度の学習が必要となりますが、十分な学習の後では「ボケ」が発せられると自動的に最適な「ツッコミ」のパターンを検索、的確な「ツッコミ」を発声、あるいはロボットの「羽」を使ったビジュアルでダイナミックな動作で行います。
「ヤットレンワ三号」には過去に使われた豊富なボケに対する有効なツッコミが二万例以上収録されており、また新たなパターン、時事ネタなどを内蔵PHSを通じ、インターネットから随時ダウンロードが可能ですから、ツッコミの可能性は無限大です。こうしたデータベースに合致しない、特殊なボケに対しても「ヤットレンワ三号」内蔵量子演算プロセッサが、可能なかぎり過去のパターンと照合して無難なツッコミを発生します。さらに「ヤットレンワ三号」は周囲の雑音から群衆の反応を関知する「ウケセンサー」を内蔵しておりますから、実戦においても常にその「ツッコミ」技量に磨きをかけることができます。使えば使うほど、あらゆるボケに対応してゆくことが可能になるのです。
不調法な友達ばかりの飲み会に、たった一人でしなければならなくなったパーティの司会のおともに、見知らぬ集団同士が集まる結婚式の二次会などの盛り上げ役に「ヤットレンワ三号」を是非あなたのツッコミ役に、お使い下さい。
使用例 ※2 | |||
ボケ | ツッコミ例 | 高度なツッコミの例 | 突き放したツッコミの例 |
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そんなバナナ | 古イコト言ウナア | ソウイウコトハ小学校デ卒業シトカナアカンコトヤ | アホカ |
いらっしゃーい | ニテヘンガナ | ソレハうけヨウト思テヤットルンカ | ハハアン |
俺のオカン、馬鹿っていうか、カバやねん | ソンナワケナイガナ | ソウ、俺ノオカンモ牛ヤネン、テ、ナンデヤネン | ホウカ |
君、芸能人に似てるって言われたことない? | ナニ言ウテルネン突然 | ソレハばぶる期ノ口説キカタトチャウンカ | 山田花子トカカ |
仕様 | |
名称 | ヤットレンワ三号(BT-16なんでやねん一六号) |
類別 | ロボット型発声入力式高速ツッコミ生成装置 |
語彙数 | 約120,000語(単語)/約360,000語(連語・イディオム)/約20,000(ボケ) |
検索時間 | 0.1秒/ツッコミ |
電源 | 単一電池4本/専用充電池 |
バッテリー持続時間 | 3時間(連続ツッコミ時) |
入力方式 | 音声入力 |
本体寸法 | 23(高さ、アンテナ部含む)×15(幅)×26(奥行き)、全幅42センチ(羽を広げたとき) |
重量 | 1,680グラム(本体のみ) |
希望小売価格 | オープン価格 |
オプション | 価格 | |
専用充電池 「電池いらーず君」 | 専用充電器付き | 14,800円 |
追加語彙パック 「アメリカン」 | 英語語彙および英語ツッコミ例を収めた追加辞書 | 4,500円 |
追加語彙パック 「標準語」 | 標準語語彙および標準語ツッコミ例を収めた追加辞書 | 4,500円 |
追加語彙パック 「流行語'00」 | '2000年の流行語・新語語彙を収めた追加辞書(※3) | 1,700円 |
※1 1999年11月。浜崎らによる。
※2 ボケは例です。
※3 2000年12月発売予定。
使用上のご注意
※電車の中などでの使用は他人のご迷惑になります。かならずデッキでご使用ください。
※深追いは禁物です。万が一なにをやってもウケない場合は、すぐに使用を停止して下さい。ひょっとしたら、ボケが面白くない可能性があります。
※「アンタトハ、ヤットレンワ」というツッコミを発声した場合、電池切れです。すみやかに新しい乾電池ないし充電池と交換して下さい。
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