新庄剛志二四三打数六九安打

「赤塚不二夫展」というのを見に行ってきた。氏の原稿が歴史順にさまざま展示されていたのだが、そのうち「ひみつのアッコちゃん」がちょっと凄かった。ちょっとした勘違いから小さな子供のおもちゃを壊してしまったアッコちゃんが、その子を元気づけるために変身する。
「テクマクマヤコンテクマクマヤコン 魔法使いになあれ」
 そんなメタな変身アリか。

 職場でソフトボールのチームを作った。チーム名をどうしようという話になり、私が「プッシュバンツ」という案を出したら、
「バントは禁止だ」
と反対された。そういう問題ではないと思う。

 読んでいた小説の中で、主人公が「ドラキュラ城」からの招待をうけた。何の疑いも持たず備えも無しにのこのこ出かけてゆくので、そんなのダメに決まってるじゃないか血を吸われに行くようなものじゃないか、と思ったのだが、よく考えるとあたりまえだった。読んでいた小説は「吸血鬼ドラキュラ」なのだ。

 サッカーのJ2の、次の対戦チームの名前を友人に聞いたら「うーん、確か山形ナントカーレ」と言われた。言いえて妙だと思った。

 胃が痛くて困っていたら、中国からの留学生に薬をもらった。中国の薬だ。「これはやっぱり中国四千年の歴史を持つ漢方薬なのか」と聞きたかったが、聞けなかった。たぶん、ただの売薬なのだろうとは思う。効き目は、あまりなかった。

 久しぶりに「アポロチョコ」を見かけた。しばらく見ていて気が付いた。この「アポロ」というのは要するにアメリカの有人月着陸計画のことで、このチョコの形は大気圏突入ポッドの形なのだ。ものすごい粘り腰である。

 法務省のウェブページのタイトルのところに「法務省ホームページ」と書いてある。何かを狙っていると思う。

 私は父に麻雀を教わったのだが、点数を数えるときに「リーチ、メンゼン、タンヤオ、ドンドン」と数えたあと「満貫」の意味で「マンシュウ」と言う。長い間「満州」のことかなと思っていたのだが、最近気が付いた。これはつまり「万舟」。競艇での「万馬券」のことだ。
 なぜ競艇用語かという謎が解けたわけではないが。

 町が運営している近所の宿泊施設が改装工事をはじめた。全面改装とのことで、周りに足場が組まれ「改装工事中 八月二六日オープン予定」との看板が掲げられている。その下に書いてあったことがよかった。
「ディ・サービス併設」
 たぶん死者の復活儀式を行うつもりである。

 アメリカにある「ローレンス・バークレー・ラボラトリー」という研究所でのこと。トイレに入ったら、個室に「ローレンス・バークレー・ラバトリー」という落書きを発見した。そういうダジャレは英語圏にもあるらしい。

 昔、大阪で行われた花博を家族で見に行った。道端で何か配っていたのでもらってみたら「ウォータースライダー落下」の号外だった。はっ、と思って見たら、本当にすぐそこで確かに落ちていた。ただ思うに、新聞の号外なんかもらったのはあのときが最初で最後なのだが、会場で配る必要は別になかったんでは。

 友人が、宛名も裏面も全部鉛筆書き、という年賀状を送ってきたことがある。消しゴムで消せばまた使えるのではないかとちょっと思ったのだが、ちゃんと消印があった。元旦に配達されてくる年賀状は普通消印は捺されていないものだから、たぶん郵便局の人もそのあたりのことが気になったのだと思う。

 しかし、もう一枚、全面蛍光ペンの黄色で書いたものは、消印がなかった。その時は私も知らなかったのだが、これ、一年ほど置いておくと消えてしまって真っ白になる。

 なにかの実験結果、測定結果として、二七・四九という数字を得たとする。実験精度からして細かい数字に意味はないので、記録ノートにはいちばん下のケタを丸めて二七・五と書いた。ところが、あとでこの結果一覧を検討していて、やっぱり小数点以下を四捨五入するくらいでよい、ということになった場合、この数字二八として使うことになるのだ。最初から小数点以下を四捨五入していたら二七だったはずなのに。そのへんいったい、どうなっているのか。

 iMacが流行したとき、あるお祝いで、友人にボールペンをもらった。「今ハヤリのスケルトン」と言われたのだが、よく考えるとボールペンは昔からスケルトンではないか。

 ニュースで「客に薬などを飲ませて金品を奪う、いわゆる『ぼったくり』の被害に遭いました」と言っていた。それは違う。何か違う。


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