[佐藤大輔作品内用語集]
 佐藤大輔作品に登場する用語を解説したものです。《皇国の守護者》に関する用語集は、目下別ファイルにまとめてあります。こちらをご覧ください。


R号研究      (あーる-ごう-けんきゅう)【作戦】《パシフィックストーム》日本帝国における反応兵器(核兵器)開発計画。潜水艦等の動力としての反応炉から反応弾(核分裂・核融合を問わず)、その他の原子核反応利用兵器全般にわたる広範な研究計画となっている。
アイアン・フィスト (Iron Fist)【作戦】《征途》北海道戦争時、北海道南部に侵攻した日本民主主義人民共和国軍に対して、国連日本援助軍総司令官ジョージ・S・パットン大将の指揮下で、アメリカ合衆国、日本を中心とした国連軍が行った反攻作戦。渡島半島からの四個師団による陸上反攻〈アイアン〉および、七個師団強を投入した石狩湾・札幌への強襲上陸・空挺降下作戦〈フィスト〉からなる包囲・殲滅作戦。国連軍側参加兵力は正面戦力だけで二四万名に達した。作戦は成功を収め、国連軍は北海道南部(留萌-釧路以南)の奪還に成功する。(1952年6月)→北海道戦争
アウラ 【地名】《地球連邦の興亡》北方宙域の三つ目の星系。七つのハイゲートを備えた交通の結節点で、うち六つはネイラム領に接続。第一次オリオン大戦で熾烈な地上戦が戦われた。休戦とともにネイラム第一氏族領として確定。
アクィラ (Aquila?)【兵器】《レッドサンブラッククロス》イタリア唯一の航空母艦。しかしながらその搭載機の数、能力ともに低く、(作中での)現代的な戦力たりえていない。
アトランティカ (Atlantika)【兵器】《レッドサンブラッククロス》ドイツ海軍の有する航空母艦。通商破壊などの単艦での行動を考慮してか、巡洋艦並の砲戦力を兼ね備えた航空巡洋艦として完成した。後に主砲を撤去、全通飛行甲板をもつ通常の空母へ改装される。同級艦、パシフィカ。
ARMS (あーむす)【兵器】《遥かなる星》開発が進められている倍力機構つき装甲服の通称。装甲は破片よけ程度、内臓電源による行動時間は10分に満たないが、軽量のため動力がなくても装着者の筋力だけである程度まで動くことができる。また、将来の無人歩兵部隊の実現に向けて、遠隔操作による自律行動が可能。予算確保のため、要求される能力が重なり合うことが多い硬式宇宙服としても使用できるように開発された。宇宙服としての名称は北崎(X-)HS89。→硬式宇宙服
天城 (あまぎ)【兵器】《レッドサンブラッククロス》《パシフィックストーム》赤城の僚艦として、建造途中の巡洋戦艦をベースに作られた空母。どちらの作品世界でも、搭載機の巨大化による搭載機数の減少、カタパルトなどの装備の旧式化から主力からは外れている。史実では〈天城〉は建造中に関東大震災によって損傷したため、当初廃棄予定だった戦艦〈加賀〉が航空母艦へ改装されたが、「レッドサン」では関東大震災が起こらなかったことから〈天城〉が空母として完成するわけである。
アーリア支隊 (あーりあ-したい)【組織】《レッドサンブラッククロス》ヒットラーの海軍に対する発言権を確保するために組織された、総統直轄の水上部隊。開戦時インド洋における軍事活動を支援する目的で東方艦隊の下部組織として組織、投入された。しかしながら実質的な命令系統が総統を経由するものであったなど、東方艦隊との協力体制は良好なものではなかった。主力は巡洋戦艦〈シュリーフェン〉および〈グナイゼナウ〉。
亜−六 (あ−6)【兵器】《レッドサンブラッククロス》世界初の実用反応動力潜水艦。海軍の潜水艦は通常排水量の大きい方から、伊号、呂号、波号(それぞれの境界は1000トン、400トン)と名前が付けられる。それを考えると(反応動力という特殊性を考慮しても、また存在自体が機密であることを考えるとなおさら)亜という符号は唐突ではある。
イエローII (case yellow II)【作戦】《レッドサンブラッククロス》ドイツによる対日戦争計画。黄色の場合II。戦力、輸送力等のドイツの国力の限界から対米戦争計画《ゴールド》の支援/陽動作戦として縮小のうえ発動された。ドイツは各仮想敵国毎に色の名前を付けて戦争計画を策定している。《イエロー》はもともと対仏戦争計画で、日本に対する戦争計画にもう一度黄色を使ったのはやはり黄色人種だからだろうか。→ゴールド, フリードリヒ
石狩湾海戦 (いしかりわん-かいせん)【事件】《征途》大戦末期、北海道に上陸を開始したソ連軍の、石狩湾への上陸部隊を載せた輸送艦隊およびその護衛部隊である戦艦3隻を初めとする水上部隊に対して、大和を中心とした日本海軍艦隊が行った迎撃戦闘。この海戦で、ソ連側は戦艦三隻(〈ガングート〉〈セヴァストポリ〉〈アルハゲリンスク〉)と輸送艦四〇隻他を喪失、他方日本軍の損失は駆逐艦二隻にとどまった。この海戦の結果によりソ連軍は石狩湾上陸を中止、ソ連軍の海上輸送力の喪失から、以後の北海道における戦闘がソ連軍圧倒的優位から膠着状態へ変化するきっかけとなった。(1945年8月21日)
石狩湾事件 (いしかりわん-じけん)【事件】《征途》日ソ開戦に先んじて石狩湾内に侵入、測量を行ったソビエト軍駆逐艦(オグネヴァイ級)を日本軍雷撃機(流星改一型、藤堂守少尉機)が雷撃、撃沈した事件。(1945年7月24日)
位相配列電探 (いそう-はいれつ-でんたん)【兵器/技術】《レッドサンブラッククロス》フェイズド・アレイ・レーダーのこと。たぶん。
1G法 (いちじー-ほう)【法律】《地球連邦の興亡》人類が恒久的に生活する環境はすべからく1G(地球の地上における重力加速度)に近い重力を与えなければならないとする地球連邦の法律。心臓病などある種の病気の患者にとって低重力はすぐれた治療/延命手段ともなりうるが、その一方で骨の強度の低下など、低重力環境での長期間の活動が人間の生理に与える悪影響についても懸念されるところである。この法律はコストを下げるために人工重力を低く押さえた軌道都市など、人為的に発生する低重力環境によって発生する無用の弊害を防止するために制定されたものと思われる。
一式中戦車改 (いちしき-ちゅうせんしゃ-かい、一式改中戦車とも)【兵器】《レッドサンブラッククロス》作中の日本の戦車は、中国の内戦に商品として輸出され、ソ連製戦車との競争というシビアな現実の圧力によって改良を続けられているという設定のため、現実世界の日本軍戦車と比べると段違いの性能を示すにいたっている。この一式中戦車改は、第三次世界大戦開戦時の日本軍の主力戦車で、総合的にT-34/76に優越する能力を持つ。ただし、開発の遅れた戦車砲に76ミリ榴弾砲を採用するなど非力な部分も残されており、ドイツ軍を相手とした場合能力が不足する、といわれていた。
遺伝子保護法 (いでんし-ほご-ほう)【法律】《地球連邦の興亡》あらゆる人間の遺伝子は人類の可能性であるとして、保存することを定めた地球連邦の法律。具体的には、事故等により死亡した人間のクローン再生を許可する内容となっている。異星人との総力戦によって人口が減少し、遺伝子プールが枯渇する(特に少数民族のそれについて)ことを恐れて成立した法律と思われる。または、クローン再生を認めることそのものを婉曲的に表現しただけのものか。
ヴァージニア (Virginia)【兵器】《パシフィックストーム》南部連合の戦艦。→ブキャナン
ウィルキー,
ウェンデル
(Wendel Wilky)【兵器】《パシフィックストーム》合衆国が東京海軍軍縮条約失効後に初めて建造した45000トンの超大型空母クラスのネームシップ。歴代の大統領の名前がとられたため、プレジデント級とも呼ばれる。飛行甲板に装甲を施した建造当時世界最大の重装超大型空母として、中止となった〈エセックス〉級に代わって建造された。外見上の特徴としては舷側エレベーターの採用が挙げられる。同級艦、〈ジョージ・ワシントン〉〈セオドア・ローズベルト〉〈エイブラハム・リンカーン〉〈トーマス・ジェファーソン〉〈ヘンリー・フーバー〉。
ヴァルキリー 【兵器】《征途》日本国が九〇年代初めに空母機として開発したFV2B垂直離着陸戦闘攻撃機の通称。ジェットの噴射方向を可変とし、コンピューターで制御することで航空機としての常識を覆す機動を可能にしている。《パシフィックストーム》アメリカの爆撃機。B70。超音速で敵地上空に到達する反応爆弾攻撃を目的とした戦略爆撃機。
ヴァルター・
タービン
【技術】《レッドサンブラッククロス》燃料の他に過酸化水素を搭載し、過酸化水素から取り出した酸素で内燃機関を駆動させる機関。主として潜水艦で用いられる。外界から酸素を取り入れることなく動作するという意味で閉鎖機関(クローズドサイクル)と総称される機関の一つ。バッテリー/ディーゼル機関を用いた従来の潜水艦に比べ、水中に没したままでの長大な航続力と、水中での高速力を得られる反面、燃料搭載量(すなわち航海日数、進出距離)の低下と、運用上の危険性を伴う。
ヴェストシュトルム (West Sturm)【作戦】《パシフィックストーム》第二次世界大戦末期、日英の〈ブルー・ボルト〉作戦頓挫後に独国が起こした冬季攻勢の作戦名。(1945年12月)
宇宙往還機 (うちゅう-おうかんき)【技術】《征途》日本が開発したスペースプレーン。自力での飛行場からの離陸、スクラムジェットエンジンを用いた加速による軌道到達を行う。〈プロメテウス〉計画として進められていたもの。1993年、零号機の大気圏内準全速飛行試験に成功。実用一号機の打ち上げは、1995年8月。
H級戦艦 【兵器】ドイツ海軍の(完成しなかった)最強の戦艦。ドイツ海軍は完成前の戦艦にアルファベット1文字の仮称艦名を与えており、このH級は仮称艦名F〈ビスマルク〉とG〈ティルピッツ〉に続く戦艦を示す。戦艦Hは〈フリードリヒ・デァ・グロッセ〉、Jは〈グロス・ドイッチェラント〉と名付けられる予定であった。→フリードリヒ・デァ・グロッセ
X30 【技術】《征途》アメリカの開発したスペースプレーン。試験飛行中にカンサスシティ都市部に墜落、数千人の死者を含む甚大な被害を出す。この事故のため、その開発計画は大きな遅れを見せることになった。
NSD 【組織】《征途》→国家保安省
遠心式
ジェットエンジン
(えんしんしき-じぇっと-えんじん)【技術】遠心力を利用して吸気を圧縮するタイプのジェットエンジン。一般のターボファンエンジンに比べて圧縮効率が良く、多数のファンのような複雑な構造を要しない。一方、吸気の方向が変化するため推進効率が悪いこと、エンジン外形が大きくなることなどが欠点。工作技術などの進歩によってジェットエンジンの主流からは離れていった。
欧州連合 (おうしゅう-れんごう)【組織】《レッドサンブラッククロス》第3次世界大戦のドイツ側陣営を指す言葉。作中でのブリテン島および欧州半島はほとんど全域にわたってドイツ帝国の支配下にあるため、実質は独伊連合でありながらこのように呼ばれる。単に「連合」ともいう。
近江 (おうみ)【兵器】《パシフィックストーム》日本海軍が最後に建造した戦艦。56センチ砲十二門(四連装二基、連装二基)を装備。同級艦〈駿河〉。
沖縄沖海戦 (おきなわ-おき-かいせん)【事件】《征途》太平洋戦争末期、沖縄に上陸したアメリカ軍に対して、台風四号の暴風雨のもと突入を行った(菊水作戦)日本海軍第二艦隊(戦艦〈武蔵〉以下、巡洋艦三隻、駆逐艦一〇隻)と、警戒にあたっていたアメリカ軍第五四任務部隊(戦艦〈ミズーリ〉〈アイオワ〉〈ウィスコンシン〉〈ニュージャージー〉〈サウスダコタ〉〈インディアナ〉〈ノース・カロライナ〉〈ワシントン〉以下重巡七隻)との間に発生した海戦。暴風雨下に起きた海戦であるため、アメリカ側が本来圧倒的な制空権を持ちながら航空戦力を十分発揮できなかったこと、同じくアメリカ側が当初戦艦を分散配置していたことなどが日本側に幸いし、この戦いで、日本側は〈武蔵〉ほかの喪失を代償に、アメリカ側に戦艦四隻撃沈、三隻大破、重巡三隻中大破の大損害を与えた(沈没は〈ミズーリ〉〈ニュージャージー〉〈アイオワ〉〈インディアナ〉)。(1945年7月25日)
尾張 (おわり)【兵器】《レッドサンブラッククロス》日本海軍の戦艦。日独開戦時の連合艦隊旗艦。超大和級戦艦として、日本では〈播磨〉完成前は最大の砲口径をもつ戦艦であったが、大和級戦艦と同じ艦形でしかも51センチ砲を搭載する戦艦として建造されたため、主砲数が連装三基(計六門)、最高速力が27ノットに押さえられている。僚艦〈紀伊〉とともに遣印艦隊の主力として〈フリードリヒ・デア・グロッセ〉追撃戦に投入され、第三砲塔に大きな損害を受ける。
海上護衛総隊    (かいじょう-ごえい-そう-たい, Escort Fleet, EF)【組織】《レッドサンブラッククロス》日本帝国海軍の下部組織で、戦時に限って組織され、特に通商路の保護、商船の護衛を行う。日本が第二次世界大戦に英国を支援して参戦、ドイツの潜水艦に大きな被害を受けた経験と、イギリスからの技術導入によって強力な組織となっている。
回転翼機 (かいてんよく-き)【兵器/技術】ヘリコプター(推進力と揚力の両方をプロペラ(回転翼)で得る垂直上昇可能な航空機。軽輸送・対潜警戒などに用いられる)。どうも、普通にこういう言い方はするようである。
解放 (かいほう)【兵器】《征途》(1)日本民主主義人民共和国の駆逐艦。旧日本帝国の〈春月〉を改装したもの。(2)日本民主主義人民共和国の戦艦。同国がロシアから購入した〈ソヴィエツキー・ソユーズ〉を改造したもの。
鰍原ノ合戦 (かじかばら-の-かっせん)【事件】《覇王信長伝》《信長征海伝》山崎合戦後に起こった、北条と徳川の間で戦われた合戦。北条氏直によって奇襲を受けた徳川氏は、この合戦で大損害を受けた。1582年。
嘉手納宇宙港 (かでな-うちゅうこう)【施設】《征途》宇宙開発事業団が、返還された嘉手納在日米軍基地跡地に建設した宇宙開発基地。全長6キロメートルにもおよぶ超電導発射システムの軌条をはじめとした、本格的な打ち上げ施設を備える。
紀伊 (きい)【兵器】《レッドサンブラッククロス》日本海軍の超大和級戦艦、〈紀伊〉級のネームシップ。51センチ砲連装三基(計六門)の中速戦艦。日本では〈播磨〉完成前は最大の砲口径を誇った。同級艦〈尾張〉。→尾張《パシフィックストーム》〈大和〉級の後継として建造された、51センチ連装四基八門の戦艦。同級艦一隻。
北崎重工 (きたざき-じゅうこう)【組織】《遥かなる星》《パシフィックストーム》《レッドサンブラッククロス》ほか。架空の企業名。第2次世界大戦終戦直後から頭角を現し、戦後の軍事・民間を問わず航空宇宙分野で重要な位置を占めるに至る。
北ノ暴風 (きたのぼうふう, Nord Gewitter)【作戦】《レッドサンブラッククロス》独軍の総力を挙げて実施された独海軍最後の攻勢作戦。アイスランド・レイキャビクの枢軸軍航空基地および欧州侵攻部隊(〈奪還〉艦隊)を水上部隊の砲撃によって撃滅するために、独軍唯一の機動部隊を陽動に用い、高海艦隊、北米艦隊(独仏連合)の突入を行うというもの。機動部隊、独仏連合艦隊の全滅と引き換えに作戦はほとんど成功をおさめるに至っていながら、状況の誤断から主力のレイキャビク侵入は行われずに終り、この後大西洋の制海権は完全に枢軸側に移る。
九九九艦隊計画 (きゅう-きゅう-きゅう-かんたい-けいかく)【作戦】《レッドサンブラッククロス》第二次世界大戦後、対独戦をにらんで日本帝国が実施した艦隊建造計画。計画名は新造戦艦九隻、超大型航空母艦九隻、旧式戦艦の改装九隻をうたうものだが、実際にはより航空母艦重視の計画となった。
グアンタナモ (Guantanamo)【地名】《レッドサンブラッククロス》キューバの東端に位置する都市。パナマを占領し、大西洋に艦隊を送り込んだ枢軸国の拠点として、大戦中盤、同じキューバのハバナに拠点を置くドイツ軍との間に激しい水上艦隊戦が戦われる。
空中巡洋艦 (くうちゅう-じゅんようかん)【兵器】《レッドサンブラッククロス》ドイツ軍の軍用飛行船L90級およびL100級の通称。ドイツ海軍/空軍の偵察能力を補うべく長距離海上偵察および通商破壊にもちいられる。重武装。
グスタフ (gustav)【作戦】《レッドサンブラッククロス》ドイツ北米総軍の行う対米戦争の第二段作戦。合衆国中央部での攻勢によって南部の資源地帯の奪取を目標とする。戦力の不足と、部隊や補給物資の輸送の困難さから、当初の構想から縮小された形で発動される。
グレーザー (GRASER)【兵器/技術】《地球連邦の興亡》「Gamma-Ray Ampilification by Stimulated Emission of Radiation」の略。誘導放出を利用して放出方向と位相をそろえたγ線(γ線レーザー)。狭義にはこれを用いた兵器のこと。γ線とは正しくは原子核の準位の遷移によって放出される電磁波をいい、原子の準位の遷移(電子の軌道の変化)によって放出される電磁波(X線)とはエネルギー的には重なり合う部分があるにもかかわらず、区別される。したがってグレーザーはなんらかの手段(おそらくX線レーザーであろう)によって励起した原子核からの誘導放出を利用していると思われる。
遣印艦隊 (けんいん-かんたい, Indian Fleet, IF)【組織】《レッドサンブラッククロス》日本海軍のうちインド洋方面、特に日本軍の拠点であるコロンボの守備のために編成され、派遣された艦隊。尾張級戦艦(第一戦隊)を中心とした水上打撃艦隊で、戦争序盤の機動部隊温存策をうけて連合艦隊(機動部隊)の支援なしでの作戦を余儀なくされた。
剣山 (けんざん)【兵器】《パシフィックストーム》川西五式長距離陸上攻撃機。日米開戦時に、日本海軍が主力陸上攻撃機として使用した六発のレシプロ爆撃機。
剣山改 (けんざん-かい)【兵器】《パシフィックストーム》〈剣山〉を改良、プッシャープロペラ式前進翼機とした機体。
ゴア (Goa)【地名】《レッドサンブラッククロス》インド亜大陸西岸の港湾都市。ポルトガルの東洋における拠点として開発が進められた土地であるが、日独開戦時にはドイツ軍の基地が置かれ、独海軍の根拠地となっていた。
硬式宇宙服 (こうしき-うちゅうふく)【兵器/技術】《遥かなる星》関節部を含めた全体が硬質の材料でできた宇宙服のこと。関節部などのジョイントに、硬質であると同時に自在に屈曲できるような構造(現在考えられているのは球をいくつか組み合わせたような形のもの)が必要となるため全体に複雑で重量のあるものとなるが、軟式のものに比べて内部の気圧をある程度上げることができるのが特徴で、船外作業時に潜水時のような減圧手続きが必要でないのが大きな利点。
硬式飛行船 (こうしき-ひこうせん)【技術】《レッドサンブラッククロス》その船殻の重量を構造材で支えることのできる飛行船。内部の気体の圧力がなければ形を保てない軟式飛行船と区別して呼ばれる。
轟天 (ごうてん)【兵器】《パシフィックストーム》〈木星II〉ターボファンエンジンを六基装備した中島七一式戦略爆撃機(年式は西暦年)。巡航誘導反応弾を搭載する超音速戦略爆撃機。
ゴールド (case gold)【作戦】《レッドサンブラッククロス》ドイツによる対米戦争計画(金の場合)。また、のちに統合された対米日戦争計画。まず第一段作戦《ヴァレンシュタイン》として根拠地フランス領ケベックから合衆国東部(対米)、カナダオンタリオ方面(対英日)、ノバスコシア方面(対英)へ侵攻、合衆国東部の工業地帯を占領したのち、第二段作戦《グスタフ》として合衆国南部の資源地帯への侵攻を行う。また、縮小された《イエローII》である対日陽動作戦として、日本海軍をインド洋に誘引する《フリードリヒ》が計画された。
国防軍令本部 (こくぼう-ぐんれい-ほんぶ)【組織】《パシフィックストーム》第二次世界大戦に英国を支援して参戦した経験から誕生した日本帝国の最高軍事指令組織。指揮系統において参謀本部と軍令部の上部に位置し、帝国の軍事活動すべてを統括する。この国防軍令本部の設立とともに大本営は指揮権のない軍事参議官会議に格下げされ、統帥権が内閣を通して各軍に及ぶという近代的な体制が確立した。
五式戦闘爆撃機 (ごしき-せんとうばくげき-き,五式戦爆)【兵器】《レッドサンブラッククロス》日独開戦時の戦術爆撃・直協機として統合航空軍によって運用された、統合航空軍初の戦闘爆撃機。陸軍によって制式化されていた〈飛燕〉を原形とし、装備全体のジェット化への過渡的な措置として、発動機を液冷川崎/ロールスロイス・グリフォン61型から、性能的に劣る(しかし装備体系に無用の混乱をもたらさない)空冷の三菱ハ112二型(金星六二型)に換装し、統合航空軍に戦闘爆撃機として制式採用されたもの。レシプロ戦闘機として最高の能力を誇った〈飛燕〉の性能をほとんど失うことなく発動機換装に短期間で成功した希有な例であるが、空戦能力は日独開戦時すでに十分なものではなくなっていた。
ゴジラ・コマンド 【組織】《征途》ベトナム戦争および湾岸戦争における日本の派遣軍陸上部隊の主力、第一独立装甲連隊司令部の呼び出し符丁。→第一独立装甲連隊
国家保安省 (こっか-ほあん-しょう,National Security Division, NSD)【組織】《征途》日本民主主義人民共和国の秘密警察組織。川宮勝次長官の指揮下で北海道戦争後、有畑角次首相を含む苛烈な粛正を行い、以後、滝川長官の個人的な支配のもと、各軍に政治将校を派遣して監視に当たるなど、強大な権力を誇った。川宮勝次首相の死とともに発動された空軍特殊部隊によるクーデターによってその実体を喪失する。
サハリン・ホール  (Sakhalin hall)【組織/施設】《征途》日本民主主義人民共和国の秘密警察組織である、国家保安省の本部の建物の異名。また国家保安省そのものを指して言われることもある。
サマール沖海戦 (Samar-おき-かいせん)【事件】《征途》レイテ湾に向け進撃中の日本第一遊撃部隊(栗田中将)と、米海軍第七艦隊護衛任務をもつ第77・4・3任務群(護衛空母部隊、クリフトン・A・F・スプレイグ少将)との遭遇戦。(護衛)空母と水上打撃部隊の砲撃戦という珍しい事例で、圧倒的な水上砲戦力の前に第77・4・3任務群は全滅。なお、この海戦で旗艦〈大和〉への被弾により、日本第一遊撃部隊司令部要員が全員戦死を遂げた。
三州騒乱 (さんしゅう-そうらん)【事件】《霸王信長伝》戦国末期、ほぼ日本全土を制した織田勢力に対して、徳川家康が起こした戦い。同盟関係が無意味化したことで、滅亡の危機を感じた徳川家康が、奥州の反織田勢力を糾合して行った一連の対織田防衛戦争を総称していう。東海道、中山道、北陸道から進撃した各軍で分進合撃を行い、全力をもって織田主力軍と決戦、これを撃滅し織田信長を抹殺、生じる混乱を利用して自領の延命をはかろうとしたもの。両軍の戦力比は、織田側の経済の疲弊、動員の遅れからほぼ拮抗するかたちとなり、第二次関ヶ原合戦における決戦、徳川側の敗北によって終結する(はず)。
【技術】《地球連邦の興亡》クローン技術によって生まれた人間を指す隠語。死亡した年齢までの加齢を人工的に行ったのちオリジナルからバックアップを採った記憶の転写を行うことができ、当初はこうした死者の再生の用途に使われる場合が多かったが、現在では同じ遺伝子を持つ子どもをもう一度生まれさせる、という普通の意味でのクローンを指す。正式にはC・田中一郎のように名前の頭にCをつけて呼ぶらしい。特に日本において、かつて必要から成体クローンによる人口増加が行われ、また徹底的な混血が行われたため、ほとんどの日系人がCまたはCを血族に持つ状態に至っている。他の人種においてはそれほどでもなく、抜き難い差別意識が存在し、社会的な問題になっている。
軸線砲 (じくせん-ほう)【兵器/技術】《地球連邦の興亡》宇宙船において、主機-重心線上に取り付けられた砲。重心軸線上に砲を配置すると、使用の反動によって艦が回転方向の力を受けることがないという利点がある。艦の主砲である場合が多い。
ジャケット=
パースン
(Jacket Person, JP)【役職】《地球連邦の興亡》要人護衛のために「作り上げられる」護衛官。対象を、時には防弾チョッキとしての役割を果たしつつ護衛する、というところからこう呼ばれる。一種の洗脳によって護衛対象を「愛する」ように条件付けられており、被護衛者の性的嗜好にしたがった造形がなされることが多い。クローンであると思われる。
自由市民同盟 (じゆう-しみん-どうめい, ノヴァヤ=ロージナ自由市民同盟)【組織】《地球連邦の興亡》惑星リェータにおける、C排斥を目指した市民運動組織。やがて活動は大衆レベルに浸透し、リェータの政体を揺るがす内戦へと発展する。
しょうかく 【兵器】《征途》海上自衛隊が七〇年代に建造した九万トンの超大型空母(航空護衛艦)。本世界における海上自衛隊は、日本民主主義人民共和国との対立の存在から、第二次世界大戦後も継続した空母運用を行っている。同級艦〈ずいかく〉。
震電改 (しんでん-かい)【兵器】《レッドサンブラッククロス》プッシャープロペラ式の局地戦闘機「震電」の主機をジェットエンジンとしたもので、日独開戦時の統合航空軍の主力戦闘機。本来一撃離脱を重視した局地戦闘機でありながら、日本機らしく優れた格闘戦性能も併せ持つ。
陣風 (じんぷう)【兵器】《パシフィックストーム》A8K。川西が開発した艦上戦闘機。発動機として中島〈究〉を搭載。当初は局地戦闘機として計画されたが、同時期、開発が難航していた三菱〈烈風〉に代わって第二次世界大戦終戦後における主力艦上戦闘機として採用。対米戦時にはジェット艦戦〈征風〉の配備にともなって主力から外されているものの、主機を石川島IP3Bターボプロップエンジンに換装した〈陣風改〉が旧式空母などで運用を続けられていた。
人民空軍(日本) (じんみん-くうぐん, 日本人民空軍)【組織】《征途》日本民主主義人民共和国の空軍。東側最良の装備、練度を誇る。ベトナム戦争以後、その中心的人物となった藤堂守によって、防空能力に特化しつつ、全体としてバランスの取れた戦力に発展した。
〈人民〉三号 (じんみん-さんごう)【兵器】《征途》日本民主主義人民共和国が保有する弾道ミサイル。射程距離一八〇〇キロ。反応弾頭運用能力を有する。
人民赤軍(日本) (じんみん-せきぐん, 日本人民赤軍)【組織】《征途》日本民主主義人民共和国陸軍。
人類標準時 (じんるい-ひょうじゅんじ, Human Standard Time, HST)【技術】《地球連邦の興亡》人類領域において、便宜上設けられている標準時。光速を越える交通手段である「ハイゲート」によって結ばれ、超光速交通が行われている人類圏においては「標準歴」だけではなく「標準時」を定めることが理にかなうほどの盛んな交流が行われている。おそらく各星系の固有運動により相対論的な時間のずれが生じるだけでなく、各惑星の固有自転速度の違いから必ずしも地球およびその近傍の恒星系以外の惑星にとって使用しやすい標準時ではない、と思われる。
水中高速型潜水艦 (すいちゅう-こうそく-がた-せんすいかん)【兵器/技術】潜水艦のうち、とくに水上ではなく水中で高速力を発揮できるような形状、多くは流滴型に設計されたもの。潜水艦の本来の活動場所である水中における運動性が向上する反面、水上における安定性、凌波性などは著しく犠牲にされる。水上での活動時間が長い通常動力型潜水艦よりも反応動力艦などで艦形として多く採用されている。
スカイフック (sky-hook)【技術】《地球連邦の興亡》地表から衛星軌道への低コスト輸送手段の一つ。静止軌道上からおろした長大なワイヤーをもちいて、地上の物資を軌道上に運び上げるシステム。地表と軌道の間を剛性の構造物で直接結ぶ「軌道エレベーター」の廉価版といえる。建造に必要な技術は惑星の重力と自転速度によって変化する。この世界においては、少なくともメサイアで建造されているらしい。
スクラムジェット
エンジン
【技術】マッハ数6以上の超々音速領域で使用される改良されたラムジェットエンジン。Supersonic RAM Jetの略。エンジンに導いた吸気を超音速のまま燃焼させることで、高い推力を得ることができる。通常の飛行機のように離陸して宇宙と地上を行き来する、いわゆるスペースプレーンにおいて、純粋なロケットとともに推進器として用いられる。
征風 (せいふう)【兵器】《パシフィックストーム》A10M2。三菱の開発になる第一世代の艦上ジェット戦闘機。日米開戦時の主力艦上戦闘機として、カタパルトなどのジェット機運用設備を持つ空母に配備。
ゼーレーヴェ (Seelowe,oの上に点々)【作戦】ドイツによる、史実では実施されなかった対英国上陸作戦。ゼーレーヴェはシーライオン、すなわちアシカの意。
赤衛艦隊 (せきえい-かんたい)【組織】《征途》日本民主主義人民共和国海軍。反応動力潜水艦を中心としているが、水上艦隊として〈解放〉をはじめとした戦力を備える。またその末期にはロシアから購入した航空母艦を備えた。
石油化学素材 (せきゆ-かがく-そざい)【技術】石油から化学的に合成して生産される素材。プラスチック。合成ゴムを含む?
接触戦争 (せっしょく-せんそう)【事件】《地球連邦の興亡》人類と「ヲルラ」との平和的接触の失敗から戦われることになった戦争。2047年。
セロトニン固定剤 (serotonin-こていざい)【技術】《地球連邦の興亡》脳内の神経伝達物質の一種であるセロトニンの不活化を阻害し、服用者の精神的な状態を人工的に良好に保つ薬剤。習慣性はない、とされる。
漸進射撃 (ぜんしん-しゃげき)【技術】《覇王信長伝》《信長征海伝》第一次関ヶ原合戦において、佐々成政隊が行った戦術。鉄砲隊を横隊に組織し、射撃する列を追い越して射撃準備を完了した次列が前進する。追い越された射撃済の列はその場で再装填を行う。敵陣に確実な前進を行えると共に、間隔の短い一斉射撃による制圧を行うことができる優れた戦術とされているが、指揮官、兵ともに非常に高度な能力を要求される、ともある。
セント・クリスピン
の虐殺
(St. Crispin-の-ぎゃくさつ)【事件】《征途》太平洋戦争末期、フィリピンに上陸したアメリカ軍(第七艦隊)にもたらされた大損害を指す通称。米軍揚陸中のレイテ湾に侵入した日本海軍第一遊撃部隊が行った攻撃(サマール沖海戦〜レイテ湾口海戦〜輸送部隊/第七艦隊攻撃と、艦砲射撃まで)を総称していう。1944年10月25日。この日が「セント・クリスピンの日」であることから。
旋風 (せんぷう)【兵器】《レッドサンブラッククロス》A9M2。日本初の実用艦上ジェット戦闘機。第三次世界大戦開戦時における主力艦戦。艦上機としては初のジェット機にふさわしく、手堅い設計を基調としており高い評価を得るには至っていない。また初期のジェット機の通弊として、航続距離の短さを欠点として持つ。
先任戦術情報士 (せんにん-せんじゅつ-じょうほうし, FTIO)【役職】《地球連邦の興亡》地球連邦宇宙軍航宙艦における役職の一つ。艦対艦戦闘などにおける全般的な情報処理を行い、戦術的な助言を艦長に行うことを任務とする。情報化された航宙艦内では重要な役職である。
戦略打撃軍 (せんりゃくだげき-ぐん)【組織】《征途》日本民主主義人民共和国の一軍種で、反応弾頭ミサイル運用を行う。通常の軍組織指揮系統から外れて、川宮首相の直接指揮下にある。
蒼電 (そうでん)【兵器】《パシフィックストーム》J9N。五式局地戦闘機。ドイツに対抗して日本が第二次世界大戦中に採用した、日本初の実用ジェット戦闘機。中島〈轟〉エンジンを採用。
ソコトラ島 (Socotra)【地名】《レッドサンブラッククロス》アフリカ東岸沖のインド洋に浮かぶ島。開戦当時ドイツ軍の基地がおかれ、インド洋におけるドイツ軍の軍事行動に欠かせない拠点となっていた。ブルーアイス作戦によって日英軍が奪取。→ブルーアイス
ターボジェット  
エンジン
【技術】ジェットエンジンのうち、排気によって回転力を与えた多数のファンによって吸気を圧縮する形式のもの。遷音速から超音速領域で大きな推力を得られるのが特徴で主として戦闘機など高い性能を必要とする用途に用いられる。軸流式ジェットエンジンというのは、これのことである。
ターボファン
エンジン
【技術】ジェットエンジンの排気を回転に変えるタービンを増設するとともに吸気を圧縮するファンの軸を延長し、最前列に大きめのファンを取り付け、このファンによる推力も利用するタイプのジェットエンジン。超音速では衝撃波による造波抵抗によって燃費が低下するほか、ソニックブームと呼ばれる衝撃波による騒音が問題になるため、旅客機では亜音速で航行を行うことがほとんどで、亜音速領域での燃費に優れたこのターボファンエンジンが採用されることが多い。
ターボプロップ
エンジン
【技術】ジェットエンジンの吸気を圧縮するファンの軸を延長し、プロペラを取り付けたもの。推進力は主にプロペラから得られる。つまり推進原理はレシプロエンジン機と変わらない。低速度領域で非常に高い推進効率が得られるのが特徴で、主として低速な旅客機や、長大な侵出距離を要求される戦略爆撃機で用いられる。
第一次オリオン大戦 (だいいちじ-おりおんたいせん)【事件】《地球連邦の興亡》地球連邦とネイラム第一氏族との間に戦われた戦争。2172年9月8日〜2197年3月18日。
第一次関ヶ原合戦 (だいいちじ-せきがはら-かっせん)【事件】《覇王信長伝》《信長征海伝》織田主力軍(信忠、羽柴)の九州討伐による間隙を狙って反乱を起こし、近畿主要部を席巻した柴田勝家率いる反乱軍と、北条攻めに参加した兵力の残りを率いて西上した信長軍との戦い。総参加兵力は、柴田側十万、織田側八万の計十八万名(主戦闘に参加した戦闘要員のみ)。
第一独立装甲連隊 (だいいち-どくりつそうこう-れんたい)【組織】《征途》ベトナム戦争時の日本派遣部隊の陸上における主力。その精強さは米軍兵士等に高く評価され、また大きな戦果を挙げた。その戦果の大きさから“メコン虐殺部隊”という異名をうけ、内外の批判を受けて停戦後解体されるが、湾岸戦争において再編成。日本の派遣軍陸上部隊の主力となった。その呼び出し符丁であるゴジラ・コマンドの名でも有名。→ゴジラ・コマンド
第三次世界大戦 (だいさんじ-せかいたいせん)【事件】(1)《レッドサンブラッククロス》日英を中心とする枢軸軍と、ドイツを中心とする欧州連合軍の間で戦われた戦争。ドイツの対米開戦から始まり、ドイツ本土爆撃の末休戦を迎える。(2)《遥かなる星》米ソの間で戦われた短く熱い反応兵器戦争。全面戦争への決断の遅れからほとんど一方的な攻撃を受けた合衆国は、統一した政体を失うまでに弱体化する。
対進戦 (たいしん-せん)【戦術】《地球連邦の興亡》宇宙空間における航宙艦同士の戦闘形態のひとつ。お互いに軸線砲(=艦の主軸)を相手に向け、接近を続けながらお互いに砲撃を交わす。一般に艦の性能が高い側が勝利する、確実性の高い戦闘形態であるが、このため両者の戦意が十分である場合にのみ発生する。
大西洋戦争 (たいせいよう-せんそう)【事件】《霸王信長伝》第二次世界大戦。英国と、大和国、日本および日本連邦諸国による連合国との間で戦われた戦争。史実の太平洋戦争によく似た経過をたどり、この敗戦の結果、英国は世界帝国としての地位を決定的に失う。《信長征海伝》大東洋同盟(日本皇国、大和民国、中華民国等)と大英帝国、中華連合共和国、大韓帝国との間に戦われた戦争。中華連合共和国の中華民国侵攻に始まり、大英帝国によるキューバ奇襲、大和民国の参戦を経て、大東洋同盟の勝利に終わる。
ダイソン環     (Dyson ring)【技術】《地球連邦の興亡》正しくは、ダイソン球(殻)の簡易型である「リングワールド」型構造物。恒星の周囲を一周する環形の構造物を建造し、その内側(太陽側)に住むという構想。重力は環の回転による遠心力を用いて発生させる。ダイソン(Freeman John Dyson)はイギリス出身の物理学者で、原形となる発想は、文明の発展と共に必要となるエネルギーを、恒星の周りを覆いつくす構造物で恒星の発するエネルギーの全てをとらえることでまかなおうというもの。ダイソン環世界を扱った作品としてはラリイ=ニーヴンの「リングワールド」が有名。なお、この構造は(構造物が剛体の場合)力学的に不安定で、ロケット等による不断の調整を要する。
〈ダイダロス〉 【技術】《征途》日本の対軌道大質量輸送システム(対軌道運搬体)の計画名。多数のブースターによる打ち上げ/減速着水を行う「デルタ・クリッパー」型往還機。電力衛星打ち上げによるエネルギー自給、偵察衛星の緊急自力軌道投入といった用途への期待から1976年の第二次宇宙開発一〇カ年計画によって予算通過、さらに計画は1986年の第三次宇宙開発一〇カ年計画に引き継がれた。1991年、実験0号機が減速着水実験に成功。
大東洋 (だいとうよう?)【地名】《信長征海伝》この世界における太平洋の名称。そういえば、なぜ我々の世界ではこの海に輸入した名称を使用しているのだろう。
大東洋勢力 (だいとうよう-せいりょく)【組織】《信長征海伝》日系国家である日本皇国、大和民国を中心とする、環大東洋同盟国家群を一つの勢力としてとらえたときの名称。欧州勢力と対置される。
第二次日本海海戦 (だいにじ-にほんかい-かいせん)【事件】《征途》北海道戦争において、アイアン・フィスト作戦を発動、石狩湾への強襲上陸を開始した国連軍(日米軍中心)と、ソ連義勇艦隊および日本赤衛艦隊との間に発生した海戦。アメリカ軍空母の本局面への不参加により完全な水上戦闘となった。参加兵力は次の通り。国連援助軍所属A統合任務部隊;戦艦〈アラバマ〉〈やまと〉以下、重巡三隻、駆逐艦五隻。ソ連義勇艦隊;戦艦〈ソヴィエツキー・ソユーズ〉巡洋戦艦〈クロンシュタット〉〈セヴァストポリ〉以下巡洋艦四隻、駆逐艦六隻。日本人民海軍赤衛艦隊;大型駆逐艦〈解放〉を含む駆逐艦六隻。戦闘は、国連軍側戦闘艦〈アラバマ〉に射弾を集中した義勇艦隊に対し、攻撃力において優越する〈やまと〉の砲撃により、〈クロンシュタット〉〈セヴァストポリ〉が沈没、この間に〈アラバマ〉を喪失するも、戦闘の行方を決定づけた。(1952年6月5日)→北海道戦争
大鳳 (たいほう)【兵器】《パシフィックストーム》日本の空母。第二次世界大戦の戦訓を受けて、日本では初めて飛行甲板に装甲を施した重装空母として完成した。この重装備のため、29000トンの排水量をもちながら運用航空機数は中型空母なみとなっている。同級艦、〈海鳳〉〈翔鳳〉〈龍鳳〉〈瑞鳳〉〈祥鳳〉。
大洋間弾道弾 (たいよう-かん-だんどう-だん, IOBM, InterOcean Ballistic Missile)【兵器/技術】《レッドサンブラッククロス》ドイツ-日本間で直接敵国の領土を攻撃できる射程を持ったミサイル兵器。多くは反応弾として用いられる。第三次世界大戦後、二大国となったドイツと日本がユーラシア大陸の両端に位置するという事実から、太平洋-大西洋の二つの大洋の間という意味で大陸間ではなく大洋間弾道弾と呼ばれたと思われる。
高千穂 (たかちほ)【兵器】《レッドサンブラッククロス》日本海軍が建造した高速戦艦。扶桑級、金剛級の代替艦級として計画されたもの。主砲40サンチ連装二基四連装二基の合計12門。第三次世界大戦開戦前後に受けた改装により排水量4万5千トン、最大速力35ノットとなった。さきに改装を完成した同級艦〈穂高〉は、戦艦〈フリードリヒ〉と交戦、損傷を受ける。
ダンケルク 【地名】フランス北部、北海に臨む海港。第二次世界大戦時、アルデンヌの森を越えて進撃したドイツ軍によって分断された英国派遣軍がこの海港より英本土に撤退した。【作戦】《レッドサンブラッククロス》第二次世界大戦でドイツに本土を占領されつつあった英国が行った、王室、政府財界首脳、軍隊の英国脱出作戦の作戦名。
中核宙域 (ちゅうかく-ちゅういき)【地名】《地球連邦の興亡》人類が植民した惑星群のうち、地球を中心とした領域につけられた名称。太陽系(ソル)とバーナードの2つの星系のみが含まれる。文化、経済の中心地となっている。
超電導発射
システム
(ちょうでんどう-はっしゃ-しすてむ, SEMLS)【施設】《征途》宇宙開発事業団が、嘉手納宇宙港に建設した、宇宙往還機用発射施設。超電導リニアモーターを備え、往還機の初期加速を行う。全長六キロメートル。
ツェペリン
,グラーフ
(Graf Zeppelin)【兵器】《レッドサンブラッククロス》ドイツ海軍がはじめて建造した航空母艦クラス。ドイツ艦らしく重装甲重武装を誇る中型空母。開戦時東方艦隊に属し、活発な通商破壊作戦を展開した。同級艦、〈ドクトル・エッケナー〉。
ティーゲル
シャンツェ
【施設】《レッドサンブラッククロス》オーストリア、リンツ郊外の地下に設けられた総統大本営。史実にある「ヴォルフ・シャンツェ」の拡大発展版で、全世界の独軍の活動に対しての指揮と、情報収集、分析が行われる施設。その指揮能力、指揮権は各総司令部を介さずに各レベルの作戦に容喙することを可能にするもので、実際しばしば正規の命令系統を超越した命令が行われることになる。
T作戦 【作戦】《レッドサンブラッククロス》日英の旧式空母群を用いた、インド洋におけるドイツ海軍の根拠地の一つ(アーリア支隊泊地)ゴアへの空襲作戦。日英軍は奇襲に成功するものの、航空戦力の不足から大型艦の撃沈戦果は得られないまま終わる。
テラン 【その他】《地球連邦の興亡》地球連邦の発行する通貨の単位。各星系国家には独自の通貨も存在するようだ。価値は不明。1テラン=1ドルくらいという仮説を立ててみたがどうだろうか。
統一      (とういつ)【兵器】《征途》日本民主主義人民共和国がロシアより購入したクズネツォフ級空母。
統一戦争      (とういつ-せんそう)【事件】《征途》一九九四年、川宮勝次首相の死とともにNSDを武力で解体し、暫定的な実権を握った川宮哲夫の支配下にあった日本民主主義人民共和国が、近く訪れる経済的崩壊をにらみつつ、国内外への支配力確保を目指し、米国、日本国に対して起こした戦争。米艦隊、米軍陸上拠点(国後)に向けた戦術反応弾攻撃で開始される。北海道における陸上戦、第三次日本海海戦とよばれる艦隊決戦ののち、戦略反応弾を備えたミサイルサイロが〈やまと〉の艦砲射撃によって壊滅することによって終息する。この戦争の結果、日本民主主義人民共和国軍は実質的に壊滅し、南北日本は統一されるに至った。
東京海軍軍縮条約 (とうきょう-かいぐん-ぐんしゅく-じょうやく)【事件】《パシフィックストーム》第一次世界大戦後の列強によって調印された海軍軍縮条約。際限のない海軍軍備拡張による国力の疲弊をかんがみ、各国の保有する主力艦(戦艦)の隻数比を英:米:日:南=5:5:4:2と規定したもの。(1921年)→マジェスティック・トゥエルヴ
東京政権 (とうきょう-せいけん)【その他】《征途》日本民主主義人民共和国内における、日本国の呼称。
トウキョウ・フーチ 【組織】《征途》日本における情報戦を司る組織、公安調査情報庁(SRI)の別名。
統合艦隊 (とうごう-かんたい, JF, Joint Fleet)【組織】《地球連邦の興亡》連邦参加国家の戦力を一つにまとめ、連邦軍として運用する組織。戦時にのみ組織される。
統合航空軍 (とうごう-こうくうぐん)【組織】《レッドサンブラッククロス》陸軍の航空隊と、海軍の陸上機部隊を合わせて設立された日本の新軍種。陸上部隊への航空支援と、戦略爆撃を任務とする。新軍種らしく、陸海軍の旧弊を持ち込まないように大胆な組織上の改革がいくつか行われている。
東方艦隊 (とうほう-かんたい, Ost Flotte)【組織】《レッドサンブラッククロス》ドイツ海軍がインド洋における日英軍の通商破壊と、海軍戦力吸引を目的に組織、投入した艦隊。〈モンスーン〉潜水戦隊のほかに戦艦〈フリードリヒ・デァ・グロッセ〉〈ティルピッツ〉、航空母艦〈グラーフ・ツェペリン〉を主力として、主として単艦から数隻の戦隊による通商破壊活動を行った。
特別連合陸戦隊 (とくべつ-れんごう-りくせんたい)【組織】《レッドサンブラッククロス》米海兵隊のように、敵地への上陸作戦を行うことを目的として設立された部隊。固有の戦車隊をもつなど、ある程度独力での作戦が可能な戦力単位となっている。組織上、海軍の所有する陸戦隊のうち常設のもの(特別陸戦隊)を統合したものとされるため、部隊単位を指す用語などに混乱がみられる。
土佐 (とさ)【兵器】《レッドサンブラッククロス》《パシフィックストーム》日本海軍の戦艦。僚艦〈加賀〉とともに八八艦隊計画の一部として建造される、史実では完成しなかった戦艦。作中では増大した国力のために完成時期が早まったこと、軍縮条約締結時に英国との同盟が有効に働いたことから戦艦として完成し、のちの日独戦において水上砲戦力として活用される。
豊原 (とよはら)【地名】《征途》日本民主主義人民共和国の首都である樺太南部の都市。日本領有時代には樺太庁が置かれた。
トライアングル
アロウ
【作戦】《レッドサンブラッククロス》大陸での権益確保を重視した親独政権の誕生を目指して陸軍、政界、財界によって計画された、未遂に終わったクーデター事件の名前。事前に発覚し、関係者の大規模な摘発が行われた。レッドサン世界において陸軍の発言力低下と天皇の統帥権の制限などを含む制度及び組織の大変革をもたらした。
ナウシカア     【兵器】《レッドサンブラッククロス》ドイツ海軍艦艇が装備する電子兵装のうち、レーダー波逆探知装置につけられた名前。通商破壊を行う潜水艦に装備する必要性から逆探知装置はドイツ海軍の電子装備の中で優先的な開発順位を与えられる分野となっている。
七式中戦車 (ななしき-ちゅうせんしゃ)【兵器】《レッドサンブラッククロス》対独戦に備えた主力戦車開発計画「ハ号計画」によって重戦車として開発された日本軍の主力戦車。第三次世界大戦開戦直後から本格的な実戦配備が開始される。主砲として海軍の100ミリ高角砲、発動機として航空機用エンジンであるマーリンIVを、それぞれ転用して採用。これらに象徴されるように既存の技術を組み合わせて設計されたものでありながら、発展余裕を盛り込んだ高い性能の主力戦車として完成し、主力戦車の総合性能において優位に立つ独軍を脅かす性能を誇った。
南部連合 (なんぶ-れんごう, CSA, Confederation States of America)【組織】《パシフィックストーム》南北戦争の結果、分裂したアメリカのうち南部に位置する国家。首都リッチモンド。いまなお合衆国との関係は良好なものではなく、強大な軍事力、特に陸軍戦力を合衆国との国境に配備している。海軍力は合衆国の四割〜三割程度。第二次世界大戦において日英側参戦。
南方宙域 (なんぽう-ちゅういき)【地名】《地球連邦の興亡》人類が植民した惑星群のうち、SOLハイゲート02から先に広がる恒星系群につけられた名称。シルキィ、メサイア、N−3、ノヴァヤ=ロージナ、リベリオン等の惑星国家が属する。
二〇四七年広場 (2047-ねん-ひろば)【地名】《地球連邦の興亡》惑星リェータの首都サンクト=コロリョフスカの中枢部に作られている広場。二〇四七年に(従って惑星リェータ以外で)起きたなんらかの事件を記念しての命名と思われるが詳細不明。リェータにおける人類の初上陸地点でもある。
日本皇国 (にほん-こうこく)【組織】《霸王信長伝》《信長征海伝》物語世界の「現代」において日本列島に存在する国家。老いた帝国として、その世界的地位は下落傾向にある。
日本民主主義
人民共和国
(にほん-みんしゅしゅぎ-じんみん-きょうわこく, Democratic People's Republic of Japan, PRJ)【組織】《征途》第二次世界大戦末期にソビエト軍による占領を受けた日本帝国領土の北部に発生した共産主義国家。樺太および北海道北部をその領土とする。高い技術力を生かした兵器輸出国家として共産主義国家としては最大の成功を収めるが、九〇年代に経済的崩壊を起こし、統一戦争ののち日本国に統一される。首都は樺太の豊原。人口二千万人。人種は日本民族のほか、ロシア人やシベリア少数民族、およびそれらの混血が存在している。
ネイラム第一氏族 (ねいらむ-だいいち-しぞく)【組織】《地球連邦の興亡》人類と利害を異にする異星人。幾つかの氏族からなるこの種族のうち、最大勢力を持つ氏族。長きにわたる第一次オリオン大戦の末、地球連邦軍に二つの惑星を奪われ、終戦を迎える。最大の勢力を持つとはいえ、その政体は他氏族との合議制によるもので、ただ特殊な負担金によって一時的な氏族独裁制に移行が可能であるようだ。
ネイラム第三氏族 (ねいらむ-だいさん-しぞく)【組織】《地球連邦の興亡》ネイラム全体で第三の勢力を持つ氏族。ほとんど描写されることのないこの異星種族の中でも比較的第三氏族は実利重視で機会主義的な(佐藤大輔描くところの日本人のような?)氏族として描かれているようである。
熱(感知)妨害手段 (ねつ(かんち)-ぼうがい-しゅだん, Thermal CounterMeasure, TCM)【技術/兵器】《地球連邦の興亡》宇宙空間の艦対艦戦闘において大きな要素となる、エンジンなどの熱源の放出する熱の赤外線による探知を避けるために用いられる技術。なんらかの指向性を持った熱放出手段と思われ、エンジン性能、容積において艦の機能を圧迫するが、軍用航宙艦においては必要から用いられる。これをさらに打破する対熱感知妨害手段(Thermal Counter-CounterMeasure, TCCM)も存在するらしい。
ノイエス
ドイッチェラント
(Newesdeustchland)【地名】《地球連邦の興亡》南方宙域に属する惑星国家のひとつで、主としてドイツ系移民によって構成される国であるらしい。星名は独語で「新ドイツ」。
ノヴァヤ=
ロージナ
(Новый Родина)【地名】《地球連邦の興亡》南方宙域に属する恒星系のひとつ。気候改造により人類が居住可能な惑星リェータをもつF型主系列星。N−3、ハイバージニアといった南方宙域先端部へと続く要衝に位置する。星名は露語で「新祖国」の意。→リェータ
ハイゲート     【技術】《地球連邦の興亡》この世界において超光速旅行/通信を可能にする装置。未知のテクノロジーによって設置された星系同士を結ぶ超空間の門。コントロールも破壊も不可能で、作動原理はおろか、由来も解明されていない。人類にとって生存しやすい惑星を持つ恒星系間のみを接続していることから、非常に使い勝手のよい交通手段であるとともに守るべき通商路あるいは軍事拠点としての要素も兼ね備えている。
ハイバージニア (High Virginia)【地名】《地球連邦の興亡》南方宙域先端部に位置する惑星国家。ジャンクション5、FCN223へそれぞれ接続するハイゲート二基を星系内に持つ。FCN223には他に特異な「故障したハイゲート」が一基あるだけなので、事実上南方宙域の辺境であると言える。主として旧アメリカ合衆国市民を中心とした移民が行われている模様。
ハイ・バード 【技術】《遥かなる星》対軌道輸送機。地表から衛星軌道に大質量を運び上げるシステムの一つで、スクラムジェットエンジンを装備し、普通の飛行機のように飛行場から離着陸するもの。経済的に大質量を軌道に輸送するためのシステムのひとつとして開発されつつある。打ち上げ・着地時にかかる加速度を低く押さえられることから旅客等の輸送に向いている。
パシフィック・
ストーム
(Pacific Storm)【作戦】《パシフィックストーム》合衆国の対日戦争計画。1953年時点における陸海軍戦力の相対的優位を利用し、日本に対して短期決戦で勝利することで、日本の勢力の減少、特に原油に象徴されるいくつかの分野における日本の経済的譲歩を目指したもの。ジョゼフ・ケネディ政権の支持率確保というより短期的な目標も暗に存在する。
八式艦上輸送機 (はちしき-かんじょう-ゆそうき)【兵器】《パシフィックストーム》(年式は皇紀)石川島航空機の双発レシプロ輸送機。空母に着艦でき、12名を搭載して空母と陸上または空母同士の軽輸送に用いられる。
パッシブ
赤外線感知器
(ぱっしぶ-せきがいせん-かんちき, PIRSE)【兵器】《地球連邦の興亡》軍艦に備えられる赤外線を用いた熱源感知装置。宇宙空間において索敵、敵艦種同定、加減速観測など多岐にわたる観測に用いられる。
播磨 (はりま)【兵器】《レッドサンブラッククロス》作品世界における日本最後の戦艦。世界最大の砲戦力、装甲厚を持ちながら、機関にガスタービンをもちいることによって高速戦艦として完成した。同級艦なし。
ハンゼ 【地名】《地球連邦の興亡》北方宙域一つ目の星系。第一次オリオン大戦でネイラム第一氏族から地球連邦が奪取。バーナードとレシトにそれぞれつながるハイゲート二基を備える。
パンテルII (Panther II)【兵器】《レッドサンブラッククロス》第三次世界大戦に備えてドイツ軍が開発した主力戦車。V号戦車H型。対ソ戦においてT34戦車に対抗するために開発された主力戦車パンテルの発展形として開発され、主砲75口径八八ミリ戦車砲、砲塔前面装甲120ミリと、必要十分な装甲、砲力、機動力を合わせ持つ。
反応兵器 (はんのう-へいき)【兵器】核分裂を利用した兵器のこと。一般に言う核兵器のうち、狭義には爆発的な核分裂反応を利用したもの(核分裂反応兵器)のみを指していう。広義には、核爆弾、原子炉など核反応を利用した兵器全てを指す。
反応炉 (はんのう-ろ, reactor)【技術】核分裂を利用した発電/駆動装置のこと。一般に言う原子炉のうち、特に核分裂反応を利用したもののみを指していう。ウラン、プルトニウムなどの核燃料の核分裂反応の、制御された連鎖反応で生じる熱によって水を沸騰させることによってタービンを回転させ、発電ないし駆動の目的に供する。
ひかり 【技術】《征途》日本の有人人工衛星計画。日本初の有人人工衛星は〈ひかり〉三号で、1972年の打ち上げ。
光電算機 (ひかり-でんさん-き)【技術】《地球連邦の興亡》人類によって使用されている一般的なコンピューターの形式。おそらく電子のかわりに光子を使用していると思われる(アシモフの「陽電子頭脳」のようなものだろうか)。高度な推論機能があり、軍事行動、日常生活に欠かせないものとなっている。
ヒンデンブルグ
,フォン
(Von Hindenburg)【兵器】《レッドサンブラッククロス》ドイツ軍の戦艦。H級戦艦七隻の最後の一隻で、第三シリーズとなる15万トンの53センチ砲艦。日本の〈播磨〉級に対抗して建造されたもので、第三次世界大戦に参加したドイツ海軍の戦艦の中では最も強力なものとなった。開戦時は未完成。同級艦〈デァ・フリート・ランデル〉(完成したかどうか不明)。
Vネット (ぶい-ねっと, V-net)【技術】《地球連邦の興亡》作中で一般的となっている、仮想現実を実現する情報量を転送するに足るほど高度に組織されたコンピューターネットワーク。仮想現実の実現のみにネットの用途が限定されているわけではないのだろうが、恐らく現在のインターネットが事実上WWWと同義であるのと同様、もっとも目立つ技術の名前で呼ばれているのだろう。なお、仮想現実に浸ることで現実から逃避する人々の存在は社会問題になっており、使用時間などが法律で規制されている。
富嶽 (ふがく)【兵器】《レッドサンブラッククロス》G10N1。中島によって開発された六発の戦略爆撃機。長大な行動半径(3000キロ?)と、爆弾搭載量(20トン?)を誇る。もともと中島飛行機による多分に夢想的な計画に過ぎなかった本機の開発は、4500馬力の〈土星〉エンジンの開発に成功したこと、そして、第二次世界大戦の期間中日本本土が戦場から遠く隔たっていたという利点を生かした十分な熟成期間が得られたこともあり、第三次世界大戦時において世界最強の戦略爆撃機として完全な成功をおさめた。改良型の富嶽改を含めて戦争全期間に渡って日本帝国統合航空軍の主力戦略爆撃機として運用され、戦争末期の独本土爆撃などに多大な戦果を挙げた。
ブキャナン,
フランクリン
【兵器】《パシフィックストーム》軍縮条約失効後建造された、南部連合の所有する唯一の戦艦クラス〈ヴァージニア〉級三番艦。イギリスの〈キング・ジョージV〉級を原形艦としながら、武装(40センチ砲10門)、速力を強化した排水量45000トンの戦艦となった。同級で唯一常時稼働状態に置かれている。
フリードリヒ (Friedrich)【作戦】《レッドサンブラッククロス》縮小された〈イエローII〉である対日陽動作戦。インド洋において通商破壊を行い、十分な戦力を保つことで日本海軍をインド洋に誘引し、大西洋方面の制海権を維持することを目的とするもの。
フリードリヒ・
デァ・グロッセ
(Friedrich der Grosse)【兵器】《レッドサンブラッククロス》ドイツ軍の戦艦。主砲42センチ連装四基八門、最高速力33ノット。対日米海軍増強計画である再開されたZ計画に含まれる最初の戦艦として建造された。第三次世界大戦開始前には既に全艦が就役、通商破壊活動などの任務についていた。インド洋において起こった〈フリードリヒ・デァ・グロッセ〉を巡る戦いは、開戦初頭における重要な事件であった。同級艦〈ロスバッハ〉〈ツォルンドルフ〉〈クネスフドルフ〉。
ブリティッシュ
ノースアメリカ
(British North America)【地名】《パシフィックストーム》英連邦に属する国の一つで、カナダとアラスカを領土とする。宗主国イギリスとの結びつきは強く、英国を仮想敵国とする合衆国にとっては敵性国家の一つに数えられる。
ブルー・アイス (blue ice)【作戦】《レッドサンブラッククロス》日英軍によって実施されたソコトラ島攻略作戦。インド洋における戦闘の早期終結と、アメリカ(の西半分)の枢軸側参戦を促す政治上の事件となるように計画、実施された。日本が初めて正規空母を投入した作戦であり、また失敗しかかった敵前上陸作戦としてのちの作戦に大きな影響を与えた。
ブルー・ボルト (blue bolt)【作戦】《パシフィックストーム》第二次世界大戦末期、大陸における反攻を行う日英連合軍が行った攻勢作戦。日英の機甲・自動車化部隊を用いた大突破を行い、ルール工業地帯の包囲を目的とするもの。日本陸海軍間の調整のため作戦開始は一ヶ月遅延し、独軍に十分な対応時間を与えたことを主要な原因として、日英陸上戦力に大損害を出しつつ失敗に終わる。この失敗が陸海軍の統一戦略指揮機構である「国防軍令本部」の誕生のきっかけとなった。(1945年5月)→国防軍令本部
プロジェクト・
ライジング・サン
(Project Rising Sun)【作戦】《征途》二十一世紀の実現を目指して統一日本が進める軌道植民地計画。おそらく「宇宙コロニー」を指向したものと思われる。
〈プロメテウス〉 【技術】《征途》日本の対軌道大質量輸送システム(対軌道運搬体)の計画名。→宇宙往還機
ベオウルフ 【作戦】《レッドサンブラッククロス》〈比叡〉〈穂高〉との交戦によって傷ついた〈フリードリヒ〉〈ティルピッツ〉に対して与えられた作戦名(行動命令)。日英商船団(KC船団)の追撃を命じたもの。
ヘヴィ・リフター (Heavy Lifter)【技術】《遥かなる星》地表から衛星軌道に大質量を運び上げるシステムの一つで、ロケットエンジンを用いて垂直上昇・垂直降下を行うもの。降下時に必要とする逆噴射用の燃料も上昇時に持ってゆかなければならないため、エンジンの効率に比べて制限されたペイロードしかもてないという欠点があるが、打ち上げの度に使い捨てにする部品がないという点で経済性に優れる。無人機と有人機があり、それぞれ異なった目的に使用される。
ほうしょう 【兵器】《征途》日本民主主義人民共和国との不断の緊張下に置かれた海上自衛隊が、老朽化した〈しょうかく〉級の代替として建造した6万トンの双胴空母(航空護衛艦)。イージスシステムを備え、迎撃ミサイル搭載の安価な駆逐艦(打撃護衛艦)を多数従えることによって最大の防空力を発揮するように計画された。同級艦〈ひしょう〉
北海道戦争 (ほっかいどう-せんそう)【事件】《征途》日本民主主義人民共和国と日本(および国連軍)との間に戦われた、北海道を舞台とした戦争。圧倒的な戦力を持つ日本民主主義人民共和国軍が一時渡島半島を除く北海道全域を制圧したが、国連軍の陣容が整うにつれて戦力は均衡、1952年6月に行われた〈アイアン・フィスト〉作戦の成功により、国連軍圧倒的優位に転換した。1952年9月、ソ連の介入により戦線は再び均衡、原国境線(留萌-釧路線)での停戦に至る。(1951年〜1953年?)→アイアンフィスト、第二次日本海海戦
ホモンホン沖海戦 (Homonhon-おき-かいせん)【事件】《征途》レイテ湾に突入した日本海軍第一遊撃部隊(鈴木義尾中将)と、揚陸中の第七艦隊護衛任務を持つ戦艦部隊、米海軍第77.2任務群(オルデンドルフ中将)の間に戦われた海戦。部隊構成が旧式戦艦からなり、また徹甲弾の不足していたアメリカ側は、有効な打撃を(日本側損害〈金剛〉大破、〈大和〉中破など)日本艦隊に与えることができず、戦艦全艦沈没など、ほぼ全滅の損害を受ける。アメリカ側呼称、レイテ湾口海戦。1944年10月25日。
真岡 (まおか)【地名】《征途》日本民主主義人民共和国、樺太南部の港湾。樺太、北海道北部と南北に分かれた日本民主主義人民共和国の領土を結ぶ重要拠点として、重点的な復興が行われ、北海道戦争以後同国の軍港となった。
マジェスティック
トウェルヴ
(Majestic Twelves)【その他】《パシフィックストーム》東京軍縮条約による規制をうけつつ、各国の主力艦として保有されることになった12隻の戦艦のこと。英;〈インヴィンシブル〉〈インフレクシブル〉。米;〈コロラド〉〈メリーランド〉〈ワシントン〉〈ウェスト・ヴァージニア〉。南部連合;〈ストーンウォール・ジャクソン〉〈ジェームス・ロングストリート〉。日;〈長門〉〈陸奥〉〈加賀〉〈土佐〉。→東京軍縮条約
ミニバス 【技術】《遥かなる星》スペースシャトルと同形式の、ロケット打ち上げ−グライダー降下の軌道往還機。経済性の低下を承知でジェットエンジンを装備したことで、ある程度の自力飛行が可能になっており、着陸時の高い安全性を持つ。なお、作中では打ち上げ法について明記されていないが、切り離し式の何らかの補助機関を必要とすると思われる。経済性において不利となるこの点を補うため、のちにリニアモーターを用いた初期加速装置が建設された。
武蔵 (むさし)【兵器】《征途》日本帝国の戦艦。主砲46センチ砲三連装三基九門、最大速力28ノットの〈大和〉級二番艦。第二艦隊の主軸として沖縄戦(菊水作戦)に投入され、自らの沈没と引き替えに戦艦四隻撃沈、三隻大破の大戦果をあげた。→沖縄沖海戦
モルトケ
,フォン
(Von Moltke)【兵器】《レッドサンブラッククロス》ドイツ軍の戦艦。主砲51センチ連装四基八門、最高速力32ノット。フリードリヒ級と同じH級戦艦のうち第二グループに属する、H42設計案に基づく8万トンの51センチ砲艦。日本の〈紀伊〉級に対抗して建造されたもので、第三次世界大戦開始時は未完成。同級艦は〈フォン・ファルケンハイン〉一隻。
モンタナ (Montana)【兵器】《パシフィックストーム》日本の〈大和〉級およびその後継である〈紀伊〉級に対抗して建造された40センチ砲戦艦。主砲は三連装四基十二門で、最大速力28ノットの中速戦艦となった。同級艦〈オハイオ〉。
やまと       【兵器】《征途》日本国の超大型護衛艦(戦艦)。第二次世界大戦後に作られた新海軍(海上保安庁、のちに海上自衛隊)の命名基準に従い、旧軍から引き継いだ戦艦〈大和〉の艦名をひらがなとしたもの。同国の戦艦としては最も長い間運用され続けた艦で、予備役期間、幾度かの改装を経ながら、北海道戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、統一戦争などで重要な水上戦力として活用される。→大和(征途)
大和 (やまと)【兵器】《征途》日本帝国の戦艦。主砲46センチ砲九門の史上最大の戦艦として、レイテ海戦、石狩湾海戦などで大きな戦果を挙げ、戦後も海上保安庁超甲型警備艦(のちに海上自衛隊超大型護衛艦)〈やまと〉として運用された。→やまと《パシフィックストーム》東京海軍軍縮条約の失効を見越して建造された46センチ連装四基八門搭載の高速戦艦。同級艦は〈武蔵〉一隻で、三番艦以降は建造中止。
大和州 (やまとしゅう)【地名】《霸王信長伝》大和民国に同じ。他に「大和国」という言い方があるようだ。《信長征海伝》大和民国の旧称。→大和民国
大和州独立戦争 (やまとしゅう-どくりつせんそう)【事件】《霸王信長伝》《信長征海伝》大和民国が日本皇国より独立するために起こした戦争。一七六七〜七六年。
大和民国 (やまと-みんこく)【組織】《霸王信長伝》物語世界における後世においてアメリカ大陸に成立する、日系国家。日系国家としては一七七六年に日本から分離独立した西大和州に端を発し、大和州動乱(一八七五年)のすえ東西統一、単一国家としての形を整えるにいたる。《信長征海伝》一六一八年に成立した新出雲新界を起源とし、現米国の西半分を領土とする大和州に発展する日系国家(日本民族のほか、新大陸先住民をとりこんでいる)に発展した。大和州独立戦争を経て一七六二年日本皇国から独立。さらに一八四八年のヴァージニア割譲、一八九八年の大西戦争により全北米を領土とした。物語の現代において世界最大の経済力を持つ国家となっている。
融合炉 (ゆうごう-ろ)【技術】核融合を利用した発電/駆動装置のこと。一般に言う原子炉のうち、特に核融合反応を利用したもののみを指していう。地上で制御された融合反応を持続させるために、太陽のなかで生じている水素4つの融合反応ではなく、重水素、三重水素、ヘリウム3などを燃料とする熱核反応(高温の原子核の熱運動での衝突による核反応)が有望視されている。1998年現在まだ実用融合反応炉は完成していない。
ラムジェット
エンジン
【技術】マッハ数3以上の超音速領域では、単に吸気をとらえて燃焼部分に導くだけでジェットエンジンに必要な吸気の圧縮が達成されるため、タービンなどの複雑な機構が必要なくなる。ラムジェットエンジンはこの領域だけの使用を考慮して設計されたエンジンで、非常に簡潔なデザインとなるのが特徴。しかし、マッハ6以上の超々音速領域では、燃料に点火するに当たって吸気をいったん亜音速まで減速する必要から著しく加速効率が悪化するため、スクラムジェットと呼ばれる改良した形式のエンジンが提案されている。
リェータ (Лета)【地名】《地球連邦の興亡》南方宙域に位置する惑星。気候は寒冷で現在惑星改造が進行中。人口約4千万人(2197年)。移民は主としてスラブ系、アラブ系。人口にCの割合が多いことも特徴のひとつ。産業はほぼ粗鋼、鉄鋼材の生産に頼っており、第一次オリオン大戦の終戦を受けて未曾有の不況にみまわれる。惑星名は露語で「夏」の意。自転周期は完全に24時間(テラフォーミングによる調整の結果?)。首都、サンクト=コロリョフスカ。
リターリエイト 【作戦】《レッドサンブラッククロス》ノーフォーク軍港に対する開戦直後の反応弾攻撃により、戦力の過半を失った米国大西洋艦隊が行った、残存水上戦闘部隊による独軍軍港(セント・ジョン)に対する艦隊突入・襲撃作戦。迎撃を行った〈ロスバッハ〉をはじめとするドイツ北米艦隊との戦闘(ファンディ湾海戦)によって米大西洋艦隊は戦力のほとんどを失う。この後、ドイツ海軍は大西洋の制海権を一時完全に掌握するに至る。
流星改 (りゅうせい-かい)【兵器】《レッドサンブラッククロス》B7A4。一種類の機体で雷撃も急降下爆撃もこなせる万能機として開発された愛知航空機のレシプロ艦上爆撃機「流星」の発動機を過給機付きのものに強化したもの。第三次世界大戦初頭まで主力艦爆/艦攻として運用される。
レイキャビク (Reykjavik)【地名】《レッドサンブラッククロス》アイスランドの首都である港湾都市。カリブ海を制した枢軸軍が奪取。ドイツ本土を直接爆撃可能な拠点として、大戦後半の欧州の戦いの焦点となった。
レイテ湾口海戦 (Leyte-わん-こう-かいせん)【事件】《征途》ホモンホン沖海戦のアメリカ側呼称。→ホモンホン沖海戦
レインボー (Rainbow plan)【作戦】《パシフィックストーム》合衆国の対日・英・南陸海軍統合戦争計画。対日〈オレンジ〉、対英〈レッド〉、対南部連合〈グレイ〉をひとつにまとめ、この三国の一部または全部が対象の、さまざまな状況を想定した総合的な戦争計画としたもの。(1938年より)
レシト 【地名】《地球連邦の興亡》北方宙域二つ目の星系。第一次オリオン大戦でネイラム第一氏族から地球連邦が奪取。ハンゼとアウラにそれぞれつながるハイゲート2つを備える星系。
烈風改 (れっぷう-かい)【兵器】《レッドサンブラッククロス》A7M3。一世代前の主力戦闘機である三菱のレシプロ艦上戦闘機「烈風」の発動機を強化、主翼強度などを向上させ、戦闘爆撃機としたもの。艦上で運用する主力戦闘機としてはすでにジェット艦戦が存在するため、主に旧式空母で運用され、制空と対地支援を兼ねた任務を行う。
ローレライ 【作戦】《レッドサンブラッククロス》イタリア海軍の参入によって一時的に水上艦艇の戦力で遣印艦隊の優位に立ったドイツ東方艦隊が計画した作戦。〈ティルピッツ〉を囮として遣印艦隊主力を誘出撃滅することを目的とする。イタリア海軍の敗走と、同時期に計画された「ブルーアイス」作戦によって崩壊する。
ヲルラ 【組織】《地球連邦の興亡》ハイゲートより現れ、人類と戦った異星人。人類が始めて出会った異星人で、日英米を中心とする人類は敵である彼らから技術を吸収しつつ戦争を遂行、最終的に勝利を収める。首のない、直立した、四本の腕を持つ種族であるが、遺伝子工学において人類よりもはるかに高度な技術(また、薄い禁忌感)を備えており、地球連邦に対して、人類に似せて製造した大使の派遣を行ったりしている。

[トップページへ戻る]