二千年以上にわたって、日本では印鑑が個人の証明として用いられてきました。本人であることを証明する唯一無二の印章である印鑑は、その形状の唯一性によって個人を証明する優れた手段ですが、一方、印鑑の盗難や紛失の危険性があるなど、この方式の弱点もまたよく知られたところであります。また、スキャナー、プリンターなどが個人レベルでも高性能なものとなった現在、必ずしも複製に対しての安全性も以前ほどではなくなっています。
みしるし3号は、最新の暗号理論を用いた公開鍵方式の暗号印鑑です。あらかじめ書類に印刷されたランダムな数字を、秘密鍵を用いて変換、個人の証明として印字します。確認側はこの変換後の数字を公開鍵を用いて復号、最初のランダムな数字との一致を確認することで、印鑑の安全性を確認できます。
みしるし3号は、バーコードスキャナと、インクジェット式白黒簡易プリンターからなります。印鑑発行は次の手順で行われます。(1)まず、書類に印字されたランダムな数字(※1)をバーコードスキャナーで読み込みます。この数字は、書類に対してユニークな72桁のランダムな数字で、同じ数字は10の72乗分の1の確率でしか登場しません(一秒に1億人が一枚ずつ書類を作成したとして、同じ数値が現れるまでの時間は10の56乗年となります)。(2)内蔵のプロセッサにより、みしるし3号はあらかじめ定められた秘密鍵を用いて読み込んだ乱数を変換します。(3)この変換後の数値を、バーコードに変換、みしるし3号が書類表面に印字します。これが印章となります。
みしるし3号は、同機によって印字された暗号を復号する能力も備えています。復号化、認証の手続きは以下の通りです。(1)まず、安全な手段を用いて運ばれた公開鍵を、バーコードリーダーを用いて読み込みます。50までの公開鍵を内蔵メモリに記憶(※2)することも可能です。(2)次に、書類に印刷された乱数と、みしるし3号の生成した暗号化後の数字を読み込みます。(3)内蔵のプロセッサにより、暗号化後の数字を公開鍵を用いて復号、乱数との一致を確認します。(4)両者が一致した場合、秘密鍵を用いてナンバーを生成できる本人が印章を捺したことが確認できます。
みしるし3号は、高度な光学認識技術を用いて、はじめて二次元バーコード方式を採用。当社従来品と比較して、バーコード印字面積がわずか1/8となりました。書類のコンパクト化、森林資源の保全に役立つほか、偽造の可能性を減少させております。
みしるし3号はまた、公開鍵の印字能力も持ちます。セレクタを「公開鍵印字」にセットして印刷を行うだけ。これを安全な手段で(直接手渡しがお勧めですが、あるいは信用できる輸送手段を用いて)配付を行ってください。大西科学公開鍵センターでは、お客様の公開鍵をお預かりし、安全な手段で直接お渡しする「公開鍵配付サービス」も行っております。ご検討ください。
みしるしシリーズには、印鑑認証能力のみに性能を限定した「みしるし3号R」もあります。「R」は、みしるし3号から、印字能力を除外したもので、暗号鍵の復号、認証能力のみに特化した機種です。機能を限定することで、大幅にコンパクト化、低価格を実現しております。認証のみの使用が多い方は、ご検討ください。
仕様 | |
名称 | 暗号印鑑みしるし3号(CS-03みしるし3号)/暗号印鑑認証機みしるし3号R(DS-03みしるし3号R) |
類別 | 電子印鑑/電子印鑑認証装置 |
バーコードリーダー部 | 大西科学「うのめ22号」コンパチブル・光学スキャナ |
プリンター部 | 大西科学「こえかき18号」インクジェットプリンター(※3) |
メインプロセッサ | サル486SX、16MHz(CMOS型) |
サイズ | みしるし3号:20×35×135(mm) みしるし3号R:20×20×95(mm) |
電源 | AC100V, 50/60Hz, 8.0W(プリンター使用時)/3.0W(R) |
価格 | オープンプライス |
オプション | 価格 | |
交換用インク 「ぼくじゅう号」 | 純正インクジェットプリンター用インク | 2,800円 |
公開鍵外部記憶装置 「レテ」 | 10MBメモリーカード(独自方式) | 59,800円 |
乱数発生印刷装置 「みしるし3号S」 | 書類作成用乱数プリンター | 99,000円 |
※1 必ず書類一枚(一書式ではありません)に対して唯一のものである必要があります。書類印刷時にソフトウェアで発生するか、別売りの「みしるし3号S」をご利用ください。
※2 オプション。ただし、みしるし3号Rには標準装備されています。
※3 みしるし3号Rには含まれません。
使用上のご注意
※秘密鍵の管理にはお気をつけください。みしるし3号は、原理的に秘密鍵を印字する能力は持っておりませんが、みしるし3号の盗難にはくれぐれもご注意ください。
※公開鍵から秘密鍵を計算で算出することは、時間と計算能力を無尽蔵に使用した場合、原理的に不可能ではありません。大型コンピューターおよびコンピューター並列使用による秘密鍵の漏洩に関しては、免責事項とさせていただきます。
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