#36. 自家用車用自動操縦装置「こばんざめS号」

 お盆の渋滞、イヤですね。こばんざめS号が長距離運転の頼もしい相棒になります。来年の夏は、レッツこばんざめ。

 近年の科学技術の圧倒的な進歩にもかかわらず、率直に申し上げて、自家用車の完全自動操縦はいまだお客様と技術者たちにとっての見果てぬ夢となっています。普段私たちが行っている自動車の運転に必要なさまざまな判断、特に気まぐれに進路を変える他車や歩行者と折り合いを付ける運転技術は、最新の人工知能を用いてさえ十分に再現することができない高度な技能なのです。

 しかしながら、すべてのドライバーが常にそうした高度な情報処理を行いつつ、運転を行っているわけではありません。大西科学では、自動車の運転の全部ではなく、ある一部分、単純な判断だけを行えばよい期間に限って運転を補助する装置を作れば、それで十分お客様のお役に立てるのではないかという発想を行いました。たとえば渋滞や高速道路の長距離運転を補助してくれる自動操縦装置があれば、それだけでずいぶん快適なのではないか。複雑な判断ができなくとも、飛び出しや赤信号、右左折などの処理が必要ない高速道路では十分な安全が確保できるのではないか。大西科学ではこの開発方針にのっとって研究開発を行ってまいりましたが、このたび第一世代の自動操縦機構としては十分な信頼性をもった自家用車用自動操縦装置「こばんざめS号」の開発に成功し、二〇〇三年六月の発売に向けて、いよいよ製品化に着手いたしました。

「こばんざめS号」は、半自動自動車操縦装置です。「こばんざめS号」は、前方を走行中の車両に対して、安全距離を保ちつつ追随することを機能上の大きな特徴としております。走行中の加減速、渋滞、障害物等を避けるための車線変更等の感知について、判断の大部分を前方の車両の運転手に頼ることによって、現在の技術で必要十分な自動操縦を可能にしたものなのです。機能を高速道路上の追突防止等に限ったことにより、安全性は高いレベルを確保することができました。独自の安全基準でAAA(昨日四時間しか寝てない運転者よりもずっと高い)の評価を得ております(※1)。

「こばんざめS号」は機能を押さえて信頼性を向上させた仕様ですから、使い方もまったく簡単、単純です。ドライバーの操作は高速道路等を走行中に「こばんざめS号」を起動し、前方の自動車に対してロックオンを行うだけ。あとはすべて「こばんざめS号」まかせでOKです。万一前方の自動車が居眠りで事故を起こしても、十分回避可能な車間距離を保ちつつ、どこまでも「こばんざめS号」があなたの自動車を運転しつづけます。前車がサービスエリアに入ったり、インターチェンジから降りる等の急な加減速、針路変更を行った場合、またなんらかのトラブルによりロックオンを継続できなくなった場合は音声と電撃(※2)で運転者に警報を行いますから、あらためて他車にロックオンを行うもよし、これを機会に適度な休憩を取るのもよいでしょう。「こばんざめS号」があれば、長距離ドライブの疲労も半減間違いなし。神経をすり減らすことなしに快適なドライブをお楽しみください。

 さらに「こばんざめS号」がその本領を発揮するのは、お盆や年末年始などに多い渋滞の場面です。高速道路上などでのろのろ運転に陥った自動車を、それでもゆっくり運転しなければならないのは面倒で疲れるもの。「こばんざめS号」は「渋滞モード」を備えており、運転をすべて前車の運転者に肩代わりさせ、ゆったりとした気分で渋滞を抜けるまでの自動操縦を行うことができます。通常モードと違い、渋滞モードで運転中は、急な加速など、渋滞を抜けたとの判断でアラームをセットできますから、渋滞の間のみ「こばんざめS号」に運転させることができます。「こばんざめS号」があれば、お盆の宝塚−西宮北インター間もリゾート気分。もしかして渋滞が楽しみになるかもしれません。

 また、自動操縦以外の機能として、前方車両との速度差、距離、自車の速度から「こばんざめS号」が独自に判断を行い、追突を防止する「アタラーズ」を備えています。お盆等の混雑時の事故原因の多くが渋滞の列への追突です。事故防止に「こばんざめS号」が大きな力を発揮してくれることでしょう。

 こんなに素晴らしい「こばんざめS号」ですが、現在のところ道路交通法等の規定により、公道上では使用することができません(※3)。大西科学では二〇〇三年のお盆シーズン前をめどに、「こばんざめS号」を世の中に送り出し、全てのドライバーに貢献するべく、今後も関係省庁および国会等に働きかけを行ってゆきます。成果および本発売の時期につきましては随時ホームページ等で報告を行いたいと考えておりますので、今後ともご支援のほどよろしくお願いいたします。

仕様
名称半自律自動車操縦装置「こばんざめS号」(SAD-01-Sはるさめ1号プロトタイプ)
価格未定
類別自家用車用自動操縦装置
センサー形式極超短波レーダー/ナノワイヤ触接/加速度計/走行距離計
本体寸法1スパン(コントロール部)、23mm×45mm×55mm(レーダー・ナノワイヤ投射部)
重量合計2.5kg
適用速度範囲マイナス5〜25km/h、70〜115km/h
適用距離範囲2m(渋滞モード時)〜1km
電源自動車用電源を使用
内蔵プロセッサぶんごうくんマーク6アドバンスド

※2002年8月現在。価格、仕様は予告なく変更する場合があります。

※1 独自基準です。
※2 オプション。心臓の弱い方はご遠慮下さい。
※3 関係法規および関係省庁等に対して批判的な立場をとるものではありません。

使用上のご注意

※荷物等の積載量、雨雪などの道路コンディション、タイヤの摩耗はブレーキの効きを悪くし、停止距離を増加させます。「こばんざめS号」は、ブレーキ時の加速度を計測し、安全停止距離の加算処理を行う機能がありますが、積載量やタイヤの減り、空気圧には十分注意し、また悪天候時はスピードの出しすぎにご注意下さい(高速で走る前車両にロックオンしないでください)。
※「こばんざめS号」は自動操縦装置ですが、運転者の監視を不要にするものではありません。運転席を無人にしたり、ドライバーが睡眠を取ることはできませんので、万一の事故に備え、ドライバーは十分ご注意下さい。
※ジャンクションやサービスエリア等の運転では、前の車が予想外の進路を取る可能性があります。十分に注意し、適切な前車にロックオンすることを心がけて下さい。
※割り込み等で前車が目視できなくなった場合、「こばんざめS号」はナノワイヤ有線接続によって触接を試み、新たな前車との車間距離を重視して安全運転を行いますが、一キロメートルを越える距離が生じた場合、自動的にロックオンを解除します。
※レーダー部、ナノワイヤセンサ投射部の著しい汚損により、機能を十分に発揮できないことがあります。安全のため、運転前には「こばんざめS号」の清掃を行ってください。
※高速道路、自動車道路以外では使用しないでください。
※ナノワイヤ源補給、車検時のコントローラ機能確認は、大西科学サービスステーションにて承ります(予定)。ナノワイヤ源は純正品をご使用下さい。


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