これで人前も平気。「本当の私」を世界に知ってもらう日がやってきました。
かのトーマス・A・エジソンの発明以来、空中に消え行く言葉や音を記録し、再生を行う「録音装置」は、現在の巨大な音楽業界、放送業界を産みだし、文化を大衆に広める力として、現代社会に欠くべからざる重要な要素となりました。しかしながら、自分専用の楽団として、あるいは失われた先人の力ある言葉を聞くためにこの発明の恩恵を享受するだけでなく、自らクリエーターの側に立ち、文化を生みだそうとした人々は、必ず一つの疑問を抱くことになります。自分の思想を広めるために、魂の言葉を録音し、さて再生を行うと、そこから聞こえてくるのは、聞いたことがない、ヘンテコな、むしろいやらしい、しかし厳然として、自分の声なのです。
録音した声と自分の声が違うように思える理由は、ふだん聞いている「自分の声」が「他人が聞いている自分の声」とは違う、という理由によります。自分で自分が出した声を聞く場合、空中を伝わる音に、自分自身の頭蓋骨等を直接伝導してくる音が重なり合うからで、自分が本当に出している声よりも、低音部の強調された、よい声になるとされています。
個人差はありますが、録音した自分の声を聞くのはいやなものです。低音域が失われた「本当の声」は、軽薄に聞こえ、何としゃべっているのかはっきりしないこともあります(※1)。歌をうたえばよい声ではありませんし、モノマネをしても自分で思っているほど似ているかどうかはわかりません(※2)。歌手や声優、モノマネのプロは録音装置による補助を得て自分の本当の声に慣れ、本当の声を鍛練し、本当の声を自分で好きにさえ、なるのでしょうが、ふだん自分の声を録音することなどない大多数の一般国民にとって、自分の声はみずからのもっとも近しい他人であるままです(※3)。
ここで、大西科学では考えました。「本当の声」とはむしろ、ほかならぬ、自分で聞いている自分の声、それではないでしょうか。録音装置も、他人が聞いている声も、「本人が出していると思っている声とは違う」という点で、本来の自分ではありえません。たとえば、自分で描いた絵は、自分が見せたいと思う通りにひとに見てもらえます。文章もそうですし、料理もそうでしょう。自分では見えない自分の顔でさえ、鏡などの装置を使うことで、自分が「見せたい」と思う通りに、すくなくともかなり近い状態で、他人に見てもらうことができます。どうして声だけが、セルフイメージと異なる声こそ「本当の姿」であるという、残酷な事実をつきつけられねばならないのでしょうか。
大西科学ではみなさまのこうした声にならぬ声にこたえ、科学が本来果たすべきであった役割、失われたマスターピースをみなさまに供給するべく、日夜研究に励んで参りましたが、このたびウェアラブル・骨伝導録音再生システム「ほんとうのわたし一号」を製品化、販売を開始いたしました。人類の幸福に貢献するという意義では、有史以前、鏡が発明されたとき以来の、最高の発明であると自負いたしております。
「ほんとうのわたし一号」は、マイクとアンプ、スピーカーからなる単純な構成の装置ですが、自分の声に「本当の声」に欠けている骨伝導部分を補い、拡声する機能があります。従来のエフェクター等でもこうした加工は可能でしたが、自分が思っている本来の声に近づけるために、さまざまな調整を必要とします。「ほんとうのわたし一号」では、大西科学が誇る骨相学テクノロジーにより、身に付けることで自動的に頭蓋骨の寸法、厚みを超音波診断し、骨伝導音波形を算出、自動的に「欠けた部分」を生成し、発声します。使用者には専門知識も、高度なテクニックも必要でありません。ただ身に付けて、しゃべるだけ。周囲に「本当の自分」を知ってもらうことができるのです。これでカラオケもスピーチも平気。もちろん録音もOKです。自分の毎日に、自信が持てます(※4)
さらに、自分で聞いている声よりも録音した声のほうが好き、という変わった方に向けて、大西科学では、声の骨伝導部分を逆位相の音波でキャンセリングし、他人が聞いている通りに自分で聞ける「ほんとうのわたし二号」を開発中です(※5)。二一世紀のセルフイメージを確立する、大西科学の「ほんとうのわたし号」をご検討下さい。
仕様 | |
名称 | 骨伝導録音再生システム「ほんとうのわたし一号」(PDP-1こだま一号) |
類別 | スピーカー付きウェアラブルエフェクターアンプ |
本体重量 | 0.5kg(バッテリー含まず) |
電源 | 単二乾電池六本/専用充電池 |
本体内蔵センサー | 超音波深探査装置×1、ダイナミックマイク×1 |
定格音声出力 | 8W |
価格 | オープンプライス |
※2002年12月現在。価格、仕様は予告なく変更する場合があります。
※1 個人差があります。
※2 個人差があります。
※3 もういいですね。
※4 効果の感じ方には個人差があります。
※5 2003年夏ごろの発売を予定しています(発売日に関する質問にはお答えできません)。
使用上のご注意
※防水機能はありません。雨天時、風呂等での使用には十分ご注意下さい。
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