携帯電話バグ

 第一六話に登場した特殊なバグノイドバグチェンジ前の人間形態は、存在しない。

 携帯電話バグは、あらゆる意味で特殊なバグノイドである。もはや、バグノイドの一種であると判断を下すことさえ難しい特殊性を持っている。その体は、わずかなマニピュレーター部を除き全金属(および改良型生体強化ケラチンとの複合)装甲で鎧われ、外部からの攻撃(SSSブレードさえ含む)対して無類の耐久性を持っているが、代わりに人間からの変形機能を奪われている。バグチェンジ機能を持たないのだ。

 その外形から一種のロボット、あるいは機械化率の高いサイボーグであると想像されやすい携帯電話バグであるが、その実体は電子戦用バグノイドであり、無類の装甲(ここに電子戦用装備が付加されている)の下には通常のバグノイドの肉体が存在する。ただしそのバグノイドらしいパワーは、合計重量が五〇〇キロを越える装甲を軽々と運搬できる、ということのみに使用されているようである。

 必殺技は、電磁波を用いた全周波数帯に対する強力な妨害電波「バラージ・ジャミング」。諸説あるが、高圧送電線直下など、高電磁場下で長期間生活した人にはガンの発生率がやや高いという研究結果が存在する。危険な攻撃と言える。


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