各務恵子

 スピードマン各務剛志の一人娘である各務恵子は、一九八二年に大阪府で生まれた。一二歳で病気によりを無くしてから、以後家庭内の仕事の半分を、剛志と分担して行っている家庭的な少女である。読み方は「かがみめぐみこ」なのだが、友達の間では「ケーコ」というあだ名で呼ばれることが多い。

 中学生以後、男手一人でここまで自分を大きくしてくれた父、剛志には、それなりの恩を感じてはいるが、最近父が職場の女性などとしきりにデートに行っているのは正直言って気にくわないし、またこの年ごろ特有の感覚では、父の家庭内での行い(パンツ一丁で風呂上がりにうろうろしたり、泥酔して帰ってきたり)には少々幻滅を感じることがある。父が家にいるときには友達を呼びたくないと思っている平凡な女子高生なのだ。

 天下無敵の女子高生らしい、物おじしない態度と、やはり剛志の血をひくのか、ときおり的が外れた正義感で剛志を悩ませる彼女だが、獣人帝國バグーの侵攻がなければ、いずれ立派な女性に成長していたことだろう。そして、結婚式ではきっと剛志は声を上げて泣くのである。

 第一七話一八話で、彼女が通う市立高校に侵攻したバグノイドから、彼女を守ってくれたスピードマンへの恋の顛末が語られる。また、二二話近辺で、スピードマンの正体に薄々感づいているようではある。


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