第一四話に登場した全身ピンク色のクマ型バグノイド。バグチェンジ前は筋肉質の二十代の男性で、天然パーマの頭に黒いタンクトップを愛用しているという設定になっているが、本篇には登場しない。どうしてここまで詳細に設定されているのか不明である。
ピンククマバグは、クリスマスに登場したトナカイバグを受け継ぐ、まったく同じコンセプトの情報戦用バグノイドである。熊ではなく、「ピンク色のヌイグルミのクマ」の形態をとっており、作戦もトナカイバグと同様、子供に好かれることでスピードマンを悪者として宣伝するものであった。
ピンククマバグは、戦闘力においてトナカイバグから大きく改善された部分はなく、公平に見て情報戦においてもトナカイバグほどの成功もおさめていないように見える。しかし、目立たない改良点ではあるが、モチーフをクリスマスなどのイベントに関係ないものとしたことと同時に、内部的な簡略化を推し進め、より量産型としての汎用性と利便性を高めていることは見逃せない。F1カーのようなピーキィなセッティングを施されていたこれまでのバグノイドと異なり、ピンククマバグは、自家用車に近い量産性を持った、量産先行試作型のバグノイドなのだ。
必殺技は、巨大になり余裕ができた頭部に内蔵した通信端末によって相手のコンピューターにさまざまなウィルスを送り込む「メールボム」である。君のところのあのソフトにやって来たあいつもピンククマバグかもしれない。