カワウソバグ

 第一九話スピードマン変身万歩計を盗むバグノイド。変身前の姿は、貧相な四〇代の小男。

 前出の「プレイリードッグバグ」と共に、小型、高速を基本方針としたバグノイドで、レオポンバグなどの「軽バグノイド」のひとつの到達点と言える。奇襲、隠密行動、スパイ活動などに適した体を生かし、搦め手からの戦いをスピードマンに挑んでいる。

 惜しむらくは、銭湯におびき出すという作戦を立てて実行していながら、調整不足から本来の能力を発揮できなかったことだろう。変身万歩計は見かけによらず重量があり、小型バグノイド形態での運搬は困難ではあるのだが、綿密な調整の上の出撃であれば、通常状態の各務からの逃走に失敗するということは、なかったはずである。

 必殺技は特になく、ある種の精神攻撃能力だけを持っているようである。「ハワイ」というコードネームで記録に残るこの攻撃の詳細を、知るすべはもはやない。


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